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2021.03.22

「AI×Doboku→未来社会」プロジェクト推進中! ~DX社会を見据えた研究開発~

技術・研究

 株式会社建設技術研究所(代表取締役社長:中村哲己)は、2017年からAI(人工知能)の研究に本格的に着手し、技術の高度化と生産効率向上に活用しています。当社が行っている取り組みの内容についてお知らせします。

1.「AI×Doboku→未来社会」プロジェクト
 近年、「ディープラーニング」などのAI技術を活用し、既存技術・生産効率の向上、並びに新規事業化への展開につなげる研究開発が各企業や研究機関において盛んに進められています。建設コンサルタント業界においても、技術力の向上や、業務の効率化を目的に、AIを活用した社会インフラの劣化診断技術や、自然災害の予測技術に関するニュースが多く報じられています。
 当社は、2017年よりAI技術を活用したインフラに関する技術の研究に本格的に着手し、これまでに技術の高度化と生産効率向上の研究開発を多数実施してきました。これまでに、以下のようなAIプログラムを数多く開発しています。

  • 画像解析
  • 自然言語解析
  • 将来値予測
  • RPA など

 ここでは、その一端を紹介します。

2.具体的な研究開発案件
2-1.AIによる技術の高度化
 AIを効果的に活用し、建設コンサルティング業務の高度化を図っています。当社で開発したAI技術を活用し、多くの業務を受注しました(2018年度に13件(うち2件表彰受賞)、2019年度に19件(うち2件表彰受賞)、2020年度に18件)。
 これまで開発した案件の中から、代表的な案件を紹介します。

【案件(1)河川管理の高度化】
 インフラの維持管理費は今後30 年で約1.3 倍に増加する見込みですが、地方自治体では維持管理に携わる職員数が十分ではありません。このため、持続的で実効的な維持管理の実現に向けて、新技術やデータを活用して維持管理を高度化することが重要です。また、気候変動に伴い台風・豪雨が激甚化・頻発化する中、住民の皆様の安全な避難の実現に向けて、確実に避難の判断に資する河川情報を発信することが重要です。これらの背景のもと、当社は鳥取県とともに、河川監視カメラ・水位計などから得られるデータとAIを用いて、以下の2つの河川管理の高度化技術の開発を進めています。
  

 ①CCTVカメラ画像を用いて、AIが諸現象(越水、砂州の変化)を検知する技術
 ②AIが河川の将来水位を予測した上で、河川管理施設の操作タイミングを支援する技術
  

 これらの技術により、以下の点が効率化できます。

  • カメラ監視作業など、単純な人力作業の自動化
  • 経験豊富な技術者の暗黙知の形式知化
  • 労働時間、人件費の削減

 参考:2020年12月4日当社プレスリリース http://www.ctie.co.jp/news/tech/2020/20201204_65.html

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【案件(2)噴火事象のAI予測】
 わが国は世界の約7%を占める111箇所の活火山が存在する火山大国です。火山がひとたび噴火すると、噴石、火砕流、土石流などの噴火事象により甚大な被害が発生するため、定常的な観測・監視により噴火の兆候を迅速に察知し対策をとることが重要です。本研究では、活火山監視の効率化を目的に、気象庁が常時観測・監視を実施している50箇所の活火山の一つである焼岳を対象に、深層学習モデルの畳込みニューラルネットワーク(CNN)により、噴火事象(噴煙、土石流など)を検出するモデルを構築しました。その結果、活火山監視の効率化に深層学習が有効な技術となり得る可能性を示すことができました。
 この技術により、以下の点が効率化できます。

  • 防災・減災対応の迅速化
  • 労働時間、人件費の削減

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【案件(3) 土砂災害に対するソフト対策の高度化】
 平成30年7月豪雨による土砂災害では、自治体等から土砂災害警戒情報が発表され避難勧告も発令されていましたが、多くの死者を出す災害となりました。これを受けて「避難勧告等に関するガイドライン」の改定(内閣府)や「実効性のある避難を確保するための土砂災害対策のあり方について」の報告(国土交通省)が取りまとめられるなど、土砂災害に対する避難確保のため、精度の高い情報提供が重要な課題となっています。既往のサービスは、降雨履歴・予測、地形や地質情報等が考慮されていないなど、土砂災害の予測精度や情報活用のあり方に課題も多い状況です。当社は、既に運用しているサービスであるRisKma(水災害リスクマッピングシステム)とAI技術を連携させた高精度の土砂災害予測システムを開発し、市町村および住民が利用可能な土砂災害ソフト対策を支援するための実効性のある情報提供サービスへの参画を目的として研究を進めています。

2-2.生産効率向上を目的としたAI
 社内各部署が担当する作業のうち、これまで人間が行っていた定型的な作業をAI技術で自動化することによって、労働時間を大幅に削減し、働き方改革を推進します。
 多くの研究テーマの中から、いくつかの事例を紹介します。
 

【案件(1)プロポーザル業務の対応支援(技術部門)】
 プロポーザル業務の参加表明書や提案書を作成するためには、業務の実施に最適な技術者を選定するために技術者の基礎情報を抽出するなど、1件ごとに異なる条件に合わせた作業が必要です。限られた時間で効率的に質の良い書類を作成するために、特記仕様書等の書類(PDF)を認識して定型的な作業をAIが処理するシステムを作成しました。これによって、ベストな業務体制を構築し、技術者はよりよい技術提案を検討することに従来以上に時間を割くことができるようになりました。

【案件(2) 積算の支援(営業部門)】
 積算の精度向上は、落札をねらうためには不可欠な作業ですが、積算のために多くの文字情報や数字を入力する必要があります。積算担当者の負荷を軽減するため、特記仕様書(PDF)を認識して、積算の基となる項目、人工などを自動データ化するシステムを作成しました。これによって、積算のたたき台となる表が一瞬にして作成可能となりました。

【案件(3) 新規図書の登録作業の支援(管理部門)】
 コンサルティング業務を行ううえで、資料となる技術図書を豊富にストックして共有することは重要です。当社では、図書の種類を分類し、1冊ごとに固有の番号をつけて管理しています。新規に図書を購入した場合には、職員が1冊ずつ判断して図書登録を行っていました。この負担を軽減するため、図書名とキーワードを入力すれば自動的に図書を分類し登録するシステムを作成しました。これにより、1件につき約10分必要としていた作業を約3秒に短縮することができました。

3.今後の展開
 今後も未来社会につながるAI×Doboku技術の研究開発を行い、技術の高度化、生産効率向上、受注の拡大を目指していきます。
 社内では、Microsoft Teams上に研究員が中心となって「AIラボ」チームを立ち上げ、最新の研究内容や、これまで開発した技術資料などを社内公開し、AI技術に関する相談にも応じるなど、AI技術の水平展開を図っています。今後さらに、技術・営業・管理部門のそれぞれにおいて、より多くの業務にAI技術を活用し拡大していくことで、土木のDX化に対応していきたいと考えています。