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2021.04.23

コンクリートのひびわれ検出システムの開発と 現場実証成果についてのお知らせ

技術・研究

 株式会社建設技術研究所(代表取締役社長:中村哲己)は、富士通株式会社(代表取締役社長:時田隆仁)と共同でコンクリートのひびわれ検出システムを開発してきました。この度、国土交通省が開催したマッチングイベントにおいて、実際の大型ボックスカルバートで現場実証を行い「観測結果としての資料に活用可能」との評価を得ました。

◆ひびわれの確認・記録を、スケッチから、写真を用いた自動検出へ

 株式会社建設技術研究所は富士通株式会社と共同で、デジタルカメラで撮影したコンクリート構造物のひびわれ写真からひびわれを自動検出し、寸法(長さ・幅)を計測し損傷図を作成する点検業務の効率化を支援するシステムの開発を進めてきました。

 この度、昨年開催された国土交通省のマッチングイベントに参加し、関東地方整備局北首都国道事務所管内の大型ボックスカルバートにおいて現場実証を行う機会を得ました。

 その結果、昼間でも薄暗く作業環境の厳しい大型ボックスカルバート内においても、損傷状況を正確に認識できることが確認され、「観測結果としての資料に活用可能」との評価を頂きました。

 今後、さらに開発を進め、より厳しい条件下での検出性能を向上させ、橋梁等のコンクリート構造物の点検・補修といった維持管理の高度化、品質の向上、作業の合理化などに貢献していく予定です。

◆特長(システムで出来ること・何が改善できるのか?)

(1)デジタル写真画像によるひびわれ検出 

 ・評価対象の要素・部材を1枚の写真で撮影し、その上に高解像度で撮影した損傷部分の写真を重ね合わせる方式を採用しています。

 ・その上で、高解像度で撮影した写真からひびわれを認識して検出するシステムとなっています。

 ・これにより、対象部材を全て高解像度で撮影する必要が無く、かつ損傷がある場所(撮影箇所)が対象部材のどのあたりにあるのか容易に把握できます。

(2)デジタル写真画像によるひびわれ計測

 ・部材・要素の写真に写りこむ既知点に寸法を与え、ひびわれ幅や長さを計測することが出来ます。

 ・計測した幅と長さは、ひびわれ毎に属性情報として保持されています。

 ・ひびわれはdxfデータとして出力可能で、精度の良い損傷図を容易に作成できます。

(3)編集機能

 ・自動で検出されなかったひびわれや、誤って検出された汚れや目地などを、写真を見ながら編集できます。

(4)使用機材

 ・本システムは市販のデジタルカメラでの撮影を想定しています。

 ・今回の撮影は市販のパノラマ撮影用自動雲台と、デジタル一眼レフカメラで撮影を行っています。(写真1枚の解像度は2400万画素)

photo_20210423.png

◆今後の展開

 ・橋梁や大型ボックスカルバートなどのコンクリート構造物の点検に適用し、損傷図作成の効率化

 ・ひびわれの進行が問題となる場合の精度の良い監視

 ・補修・補強設計における、精度の良い補修図作成

 ・ひびわれ補修工事の出来型管理への適用