2021.04.28
技術・研究
株式会社建設技術研究所(本社:東京都中央区、代表取締役社長:中村哲己)は、国土交通省航空局が2020年10月に公募を開始した「空港除雪の省力化・自動化に向けた実証実験」の参加者として選定され、2021年2月に実証実験を行いました。この度、本実証実験の結果が公開されましたのでお知らせします。
現在、空港での除雪作業の労働力不足が懸念されており、省力化・自動化が求められています。
本実証実験では、空港除雪の省力化・自動化のために重要な技術である自車位置測定技術について新千歳空港の制限区域内において、積雪や降雪等の条件下で実際の運用速度(最高40km/h)にて実証実験を行い、実装に向けた課題の抽出を行いました。
当社は、アイサンテクノロジー株式会社(本社:愛知県名古屋市、代表取締役社長:加藤 淳)、及び、株式会社マップフォー(本社:愛知県名古屋市、代表取締役:橘川 雄樹)と共に、廉価なGNSS/IMUの複合航法による位置推定手法を用いて実証実験に参加し、高精度な自車位置測定を実現した検証結果を報告し、位置の算定精度が高精度であることが証明されました。
なお、本検証結果については、他実証実験参加者3件の結果と併せて開示されております。
今後も様々な自己位置情報に関わる実証実験への取り組みと、技術拡大を推進します。
1.実証日程: 2021年2月2日~2月5日
2.実証実験実施体制
企業名 | 実施内容 |
アイサンテクノロジー株式会社 | Eagleyeによる自己位置推定精度検証、実施計画、成果報告とりまとめ |
株式会社建設技術研究所 | Eagleyeによる自己位置推定精度検証、成果報告とりまとめ |
株式会社マップフォー | Eagleyeによる自己位置推定精度検証 |
3.実証実験実施場所:新千歳空港制限区域内
4.検証結果
今回使用したGNSS/IMUの複合航法による位置推定手法は、廉価なGNSS,IMUの組み合わせとなります。本構成においても走行位置推定精度が、誤差最大値0.15[m]、誤差平均値0.08[m]、誤差標準偏差0.03[m]、2DRMSが0.08[m]と高精度な位置精度の結果が算出されました。
https://www.mlit.go.jp/koku/koku_tk9_000047.html
5.使用機材:Eagleye(イーグルアイ)、Lidar、GNSSアンテナ・受信機、IMU、ホイルパルスセンサー
■参考資料1:国土交通省報道発表資料(2020年10月23日)
空港除雪の省力化・自動化に向けた実証実験の参加者を募集します
~航空イノベーションの推進 空港除雪作業の労働力不足の解消を目指して~
https://www.mlit.go.jp/report/press/kouku09_hh_000152.html
■参考資料2:Eagleye(イーグルアイ):高精度位置推定システムについて
IMU/GNSSを活用した、車両向け高精度位置推定システムを活用しました。
Eagleyeは、株式会社マップフォーと名城大学/目黒研究室が共同開発したGNSS/IMU位置推定システムです。 従来のGNSS/IMUを用いた位置推定システムは、高価なセンサが必要とされ、システム導入には大きなコストが掛かっていました。Eagleyeは、GNSSドップラーの活用や、センサデータの誤差補正等のアルゴリズムを活用することにより、ローコストなセンサを使用した場合でも高価なシステムと遜色無い、位置推定精度を実現しました。