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2021.05.14

新型コロナウイルスの感染症拡大を早期に検知するための下水中の新型コロナウイルスの流行把握サービスを開始しました

技術・研究

 株式会社建設技術研究所および当社グループ会社の株式会社環境総合リサーチは、日本水環境学会COVID-19タスクフォースメンバーである金沢大学との共同研究契約に基づき、船橋市から下水試料の提供を受け下水中の新型コロナウイルス遺伝子分析技術の実用化に成功しました。これにより、新型コロナウイルスの感染症拡大を早期に検知するための流行把握サービス提供を開始しましたのでお知らせします。

 現在、世界的流行が起こっている新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は無症状感染者が一定の割合で存在するため、発症者を対象とした臨床検査のみでは真の流行状況を把握することが困難です。一方、COVID-19流行期には下水中から新型コロナウイルス遺伝子が検出されることが知られており、一部の諸外国では感染実態を早期に把握するため、下水中のウイルス遺伝子濃度のモニタリングを実施しています。

 下水中の新型コロナウイルス遺伝子をモニタリングすることは、無症状感染者を含めた感染流行を早期・事前に検知し初動対応に結び付けることに有益です。当社グループは、そのための新型コロナウイルス遺伝子分析技術の習得し、流行把握サービスを提供します。

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(1)新型コロナウイルス遺伝子分析技術の習得
 当社グループは、日本水環境学会COVID-19タスクフォースメンバーである金沢大学と富山県立大学の指導のもと下記の分析技術を習得し、下水中の新型コロナウイルス遺伝子を検出することができました。
・濃縮:ポリエチレングリコールを添加して高速遠心することによりウイルス粒子を沈殿(PEG沈殿法)
・RNA抽出:RNAが結合するカラムを用いて濃縮物からRNAを抽出
・分析:リアルタイム-PCR機器を使用

(2)新型コロナウイルス流行把握サービスの内容
 上記した遺伝子分析技術を活用し、当社グループは、新型コロナウイルスの感染症拡大を早期に検知するための以下の流行把握サービスを提供します。なお、このサービスは変異型コロナウイルスにも対応可能です。
①コロナウイルス流行状況を確認するためのモニタリング計画策定
②下水採水作業と分析
③分析結果からの流行把握

(3)今後の展開
 今後は流域内感染者を予測するモデルの構築に向けて大学と共同研究を進めていきます。また、新型コロナウイルスだけでなく、様々なウイルスや細菌を対象とした下水疫学調査を国民の日常生活を守る基礎インフラの一つとして位置づけ、取り組んで参ります。