2021.06.03
技術・研究
株式会社建設技術研究所(代表取締役社長:中村哲己)は、初期専門能力開発(Initial Professional Development)により、幅広い視野と見識を備えた若手技術者を育成するための能力開発プログラム「国土文化カフェ」を毎年開催しています。今年も6月2日に講座が開講しましたのでお知らせします。
1.目的
「国土文化カフェ」は、今後必要になると考えられる初期専門能力開発(Initial Professional Development:IPD)を先取りしたもので、専門的能力のみならず、プロフェッショナルなコンサルタント・エンジニアの能力として、幅広い視野、関心、国際性、リーダーシップ、コミュニケーション能力、マネジメント、倫理性などを備えた、将来の建設技術研究所グループ(以下「CTIグループ」)を担うことができる若手エンジニアの育成を目的としたものです。
2.開催概要
2018年に第1期がスタートし、今年で第4期になります。2018年には14人、2019年には17人、2020年には18人、今年は19人のメンバーが、CTIグループ内から参加しています。
今年は以下の通り開催します。
(1)対象者
CTIグループに所属する、おおむね25~35歳の社員
(2)プログラム
第1回目 6月2日(水)13:00~17:00
プロローグ(自己紹介ワークショップ&技術者倫理)
テーマ「国土文化カフェの趣旨と技術者に期待すること」
第2回目 6月25日(金)13:00~17:00
総論(社会学的な視点)
テーマ「人のつながりから文化を考える」(外部講師による講演とワークショップ)
第3回目 7月30日(金)13:00~17:00
各論1(グローバルな視点)
テーマ「SDGsで捉える、世界と日本」(外部講師による講演とワークショップ)
第4回目 8月27日(金)13:00~17:00
各論2(先端技術の視点)
テーマ「AIアプリの成功プロセスと今後の展望」(外部講師による講演とワークショップ)
第5回目 9月24日(金)13:00~17:00 ※社外現地開催
各論3(ローカルな視点)
テーマ「地方創生を考える」(外部講師による講演とワークショップ)
第6回目 10月29日(金)13:00~17:00
まとめ(個人発表&全体討論)
テーマ「国土文化カフェに参加して気づいたこと、これからの10年間で技術者としてどう成長したいか」
3.昨年の参加者の意見
(1)学んだところ
多様な考え方ができるようになった(23%)が最も多く、次いで分野の広さ(19%)、リモートツール(15%)、テレワークのメリット・デメリット(14%)、意見集約の難しさ(12%)となっています。また、理解してもらうことの難しさといった意見もみられました。
(2)成長したところ
視野が広がった(20%)が最も多く、次いで多様な考え方ができるようになった(17%)、協議しながらまとめる(15%)、時間内に答えを導き出す(12%)となっています。また、カフェに参加して自信がついたといった意見もありました。
(3)10年先に向けた取り組み、目標
視野を広げる(11人)が最も多く、次いで得意分野をつくる(9人)、専門分野の理解を深める(8人)、総合技術者(7人)、技術士取得(5人)となっています。特に、先を見通す技術者、T型技術者、柔軟に対応できる技術者、信頼される技術者、指導力のある技術者といった技術者像を挙げているのが印象的でした。
(4)国土文化カフェへの要望・評価など
研修テーマや回数、日程、班分けなどについては概ね満足という一方、他班のメンバーとの交流に関する要望がありました。また「後輩へこの研修を勧めたいか」については、勧めたいとの意見が多く、知見を広められる、他支社他分野の方との交流といった理由が多くみられました。参加メンバーの国土文化カフェの5段階評価は5(19%)、4(69%)、3(12%)とまずまずの評価でした。
4.昨年の参加者上司の意見
昨年の参加メンバーの上司からの主な意見では、視野が拡大した(17%)、多様な考え方ができるようになった(17%)、コミュニケーション力が向上した(12%)が多く、特徴的な意見としては、積極的になった、業務などへ対する意識や協調性が改善、部内で最初にリモートツールが使えるようになったなど。一方、国土文化カフェに参加した成果は今後じっくり見ていきたいといった意見もありました。