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2021.10.29

~水源から蛇口まで~ さらなる安全・安心でおいしい水の提供に向けて配水管内の塩素濃度の予測手法を開発しました。

技術・研究

 水道企業体は、安全性の確保の観点より、水道法で定められた残留塩素の基準値(0.1~1.0mg/ℓ)となるように塩素濃度を管理する必要があります。しかし、現時点では浄水場等から蛇口までの間で(配水管の中で)減少する塩素濃度を予測する手法が確立されていないため、水道企業体では塩素注入量の調整に苦労している状況です。
 そこで当社では、原水から配水管内までの塩素濃度の予測手法を開発し、安心・安全でおいしい水の提供へ向けた検討等の技術サービスを開始しましたので、お知らせします。

1.安全・安心でおいしい水の提供に向けた課題
 水道水の原水となる河川や湖の水には、さまざまな病気の原因となる微生物などが含まれている恐れがあるため、安全性の観点より、浄水場等において塩素を注入しています。
 一方、「おいしい水」を提供するためには、塩素の『におい』や『味』がしないように、基準値(0.1~1.0mg/ℓ)の範囲でできる限り残留塩素濃度を低く保つ必要があります。その際、塩素は配水管の中で減少するため、浄水場から近い地域でも、遠く離れた地域でも基準値を満足するように塩素の注入量を調整する必要があり、変化する塩素量の把握と予測が課題でした。

2.開発した予測手法(予測システム)と提供する技術サービス
2.1 予測手法(予測システム)の概要
①原水水質予測モデル
 塩素濃度の減少速度は、原水の水質に影響を受けることが考えられます。そこで、降雨状況やダム放流量などの様々な影響を考慮した一次元不定流移流拡散モデルを適用することで、原水(河川、湖)の水質濃度を時々刻々に予測します。
②配水管内残留塩素予測モデル
 配水管網のネットワーク構造を反映した管網解析(一次元不定流解析)によって時々刻々変化する流下時間を算出し、浄水場から配水管内までの流下時間から塩素濃度が減少することを正確に計算します。

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2.2 提供する技術サービスの内容
 当社は、本技術を活用し、安心・安全でおいしい水の提供へ向けて、①本システムの導入による残留塩素管理への運転支援や②運転管理手法の最適化検討などの技術サービスを提供します。
 本サービスのご利用により、水道企業体には、水質管理に係る労力の削減、薬品費の削減によるコスト削減等につながるメリットがあります。