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2022.02.28

設計の効率化・高品質化・高度化を目的として、「3次元設計支援システムVer.1」を開発し、社内運用を開始しました

技術・研究

 株式会社建設技術研究所(本社:東京都中央区、代表取締役社長:中村哲己)は、社内生産の効率化・高品質化およびBIM/CIMの推進に向け、河川構造物と橋梁を対象に、3次元モデルを用いたワークフローおよび設計支援のシステム(特許出願中)を開発しました。
 このたび、『樋門・樋管3次元設計支援システムver.1』『橋脚3次元設計支援システムver.1』として2021年12月に社内リリースし、運用を開始しましたのでお知らせします。

1.システム開発の目的
 国土交通省が推進する「i-Construction」では、3次元データにより建設生産プロセスの効率化・高度化を図るためのBIM/CIMの導入が加速しています。しかし、従来の設計ワークフローでは、2次元図面を人の目で確認し、人の手で設計タスク間の情報を引き渡すため、ミスが発生しやすい構造になっているのに加え、2次元図面の完成後に3次元設計を行うため、ワークフロー中で3次元データの活用による恩恵を十分に得られていないのが現状です(図-1)。
 本システムは、弊社が独自に開発した3次元設計のワークフローに沿って、3次元データを設計初期から活用することで、各設計タスク間の連携の自動化を可能とし、設計の効率化・高品質化・高度化を実現するものです。

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                      図-1 3次元設計支援システムによるタスク連携イメージ

2.開発システムの概要
 河川構造物と橋梁の各システムの概要は、以下の通りです。
(1)河川構造物(樋門・樋管)の3次元設計支援システム
 『樋門・樋管3次元設計支援システムVer.1』には、以下のような機能があり、予備設計のワークフローで運用することで、3次元モデル、図面、数量、構造計算とのシームレスな連携が可能です(図-2)。
 ・パラメトリックモデリング・パラメータ管理支援機能
 (樋管の初期形状簡易設定、基準適合性の判定機能、数量計算書出力など)
 ・3次元CAD(Autodesk🄬 Civil3D、Autodesk🄬 Revit)連携機能、Revit自動作図機能
 ・構造計算ソフト連携機能
  このシステムにより、従来の予備設計における一般図の作図・概算数量算出までの作業を大きく効率化し、生産性を向上することが可能となりました。また、形状の修正作業が効率化することで、樋管形状の最適化を進めやすくなり、品質向上にも寄与します。

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                  図-2 樋門・樋管の「3次元設計支援システムVer.1」の概要

(2)橋脚の3次元設計支援システム
 『橋脚3次元設計支援システムVer.1』には、以下のような機能があり、詳細設計のワークフローで運用することで、3次元モデルや図面の自動作成、数量、構造計算とのシームレスな連携が可能です(図-3)。
 ・パラメトリックモデリング・パラメータ管理支援機能
 (橋脚の形状簡易設定、配筋諸元簡易設定、数量計算書出力など)
 ・3次元CAD(CATIA)の自動モデリング(配筋モデル)・自動作図(構造図、配筋図)機能
 ・構造計算ソフト連携機能
 このシステムにより、構造計算と3次元モデル・設計図面の不整合を防止することが可能となり、品質向上が実現できます。また、自動化による省力化に加え、照査の手間が大幅に削減されることで、生産性を大きく向上させることができます。

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                     図-3 橋脚の「3次元設計支援システムVer.1」の概要

3.今後の予定
 今後は、実務での運用を踏まえ、システムをブラッシュアップしていくとともに、河川構造物では詳細設計のワークフローでの運用、橋梁では動的解析との連携に向けた各種開発を進めていく予定です。