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2022.08.03

新型コロナウイルスの感染症拡大を早期に検知するための下水中の新型コロナウイルスの流行把握サービスを更新しました。

技術・研究

 株式会社建設技術研究所とCTIグループの株式会社環境総合リサーチは、日本水環境学会COVID-19タスクフォースメンバーである金沢大学との共同研究契約に基づき、船橋市から下水試料の提供を受け下水中の新型コロナウイルス遺伝子分析技術の実用化に成功しました。また、ウイルスが低濃度で定量化できない場合であっても、統計的手法により近い将来の療養者の増減を検知する流行把握サービスを更新しましたのでお知らせします。

1.背景・目的
 下水中の新型コロナウイルス遺伝子をモニタリングすることは、無症状感染者を含めた感染流行を早期・事前に検知し初動対応に結び付けることに有益です。CTIグループは、そのための新型コロナウイルス遺伝子分析技術を習得し、流行把握サービスを提供します。

2.新型コロナウイルス遺伝子分析における濃縮時間の短縮
 下水中の新型コロナウイルス遺伝子の検出にはこれまで3日を要していましたが、前処理におけるPEG沈殿の振とう時間を短縮し、2日以内に検出することが可能となりました(分析日数は条件により変動)。これは変異型コロナウイルスにおいても同様です。
※分析方法は「下水中の新型コロナウイルス遺伝子検出マニュアル(2021年3月)」に基づく標準的な方法による

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    採水した下水の分析状況               処理場での下水採水の様子

 3.新型コロナウイルス早期検知サービス
 上記の遺伝子分析技術を活用し、CTIグループは、新型コロナウイルスの感染症拡大を早期に検知するための地域特性に応じたモニタリング計画の立案、定量化が困難な場合でも統計的手法(下図)により流域内感染状況を早期検知するサービスを提供します。 

 ①小流域での採水等や採水時間を考慮したモニタリング計画策定
 ②下水採水作業と分析
 ③分析結果からの早期検知 


photo_20220803_c.png

     

        

 

 

        繰り返し検査による1週間後の療養者増加割合イメージ


4.今後の展開

 新型コロナウイルスだけでなく、さまざまなウイルスや細菌を対象とした下水疫学調査を国民の日常生活を守る基礎インフラの一つとして位置づけ、感染拡大防止を支援する情報提供サービスに取り組んでまいります。