2022.08.04
技術・研究
株式会社建設技術研究所(本社:東京都中央区、代表取締役社長:中村哲己)は、下水管内のさまざまな異常を早期に検知するための技術として、下水管内の水位観測と腐食箇所の早期検知に関する新たな技術を開発しました。この技術によって、従来技術より下水管内の異常を早期検知することが可能となり、維持管理の効率性向上やコスト縮減においても大きなメリットが得られます。
1.背景
下水道分野の重要課題として、浸水被害の危険発生に関する情報発信や、施設の効率的な老朽化対策があります。浸水箇所の早期発見及び要因調査、老朽化リスクの高い施設の特定には、職員の負担増や高額な委託費用が必要になります。本技術は、これら課題解決の一助となる技術です。
2.技術の特徴、詳細
(1)リアルタイム水位監視
下水管内の水位を観測し、リアルタイムで水位状況の確認・共有が可能な技術です。
◆本技術は、マンホール蓋を取り替えることなく伝送アンテナを設置することができます。
◆不明水や浸水といった、下水管内の水位上昇に関する異常を早期に検知することができます。
(2)微生物調査
下水を採水・分析を行うことで腐食要因や箇所の早期検知が可能な技術です。
◆本技術は、次世代シーケンサー(NGS)を用いることで多種多様な菌レベルの分析を行うことができます。
◆腐食を促進する原因菌の特定や場所による量分析を行うことで、腐食しやすい箇所を検知することができます。
3.今後の活用(今後の展開・今後の取り組み)
今回開発した技術は、下水道管路施設の包括的民間委託事業への適用によってさらに効果的に活用される可能性があり、地方公共団体のみならず民間の維持管理業者にも幅広く活用していただけます。