2023.07.24

令和4年度土木学会賞を受賞しました。

技術・研究

 令和4年度土木学会賞が発表され、当社は「技術賞(Ⅱグループ)」と「技術功労賞」を受賞しました。

 土木学会賞ホームページ: 令和4年度土木学会賞受賞一覧 https://www.jsce.or.jp/prize/prize_list/p2022.shtml


【技術賞(Ⅱグループ)】
 この賞は、土木技術の発展に顕著な貢献をなし、社会の発展に寄与したと認められるインフラの計画、設計、施工または運用やメンテナンスなどの画期的な個別技術に授与されます(いわゆる「ハード技術」のみならず、情報システム、マネジメント手法、ビジネスモデル、制度の導入など等の「ソフト技術」についても対象)。 

■玉来ダム建設事業 
~阿蘇火砕流堆積物の厳しい地質条件を克服した流水型ダムにおけるダム建設技術~

 玉来ダムは、大分県竹田市を流れる一級河川大野川水系玉来川に建設された洪水調節専用(流水型)の重力式コンクリートダムです。竹田市は、1982年、1990年と度重なる甚大な豪雨災害を受け、竹田市街地上流に稲葉ダム・玉来ダムを建設する「竹田水害緊急治水ダム建設事業」が被災直後の1991年に採択されました。

 一方、この稲葉ダム・玉来ダムが位置する阿蘇カルデラの外輪山麓は、阿蘇火砕流堆積物が分布し、強度・透水性の異なる堆積物が複雑に分布するため、これまでダム建設は困難と評されてきました。この特殊な地質条件に対し、当社は事業者、施工者とともに、問題となる地質的要因を解明し、問題を克服する様々な工夫と新たな技術を展開し、地域の安全安心に繋がる玉来ダムの完成に尽力しました。

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玉来ダム完成全景

 

■PM・CM一体型マネジメントによる河川堤防整備事業 
~H23-R3旧北上川河口部復旧・復興事業~

 旧北上川河口部における復旧・復興事業は、東日本大震災により甚大な被害を受けた石巻市中心部において、無堤であった市街化区域への約15km にわたる河川堤防を発災から約10 年の短期間で完成させた、全国的に類を見ない大規模事業となりました。

 事業実施にあたっては、複数の関係機関協議や地元合意形成等、多種多様な調整が必要であり、俯瞰的な立場で事業全体の最適化を図りつつ、タイムリーな問題解決に対応できる事業執行体制が求められました。これに対し、東北地方整備局北上川下流河川事務所は震災復興の早期完成を目的に、PM・CM一体型マネジメント方式を採用し、官民一体となって様々な課題解決を行い、事業促進を図ってきました。

 以上の取り組みを実践してきた発注者ならびに発注者を支援したPM・CM業務関係者が、この度、連名で受賞することになりました。当社は被災の翌年から3年間、PM業務を担当し、事業全体の執行計画に関わる支援を実施しました。

 

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関係者による事業調整会議

 

【技術功労賞】
 「技術功労賞」は、個人を対象に、『長年にわたり人目につきにくい業務に従事するなど地道な努力の積み重ねを通じて土木工学の進歩または土木事業の発展に功労のあった者』に授与されます。

受賞者:技術本部 首席技師長 小畑 耕一

 現場条件や施工条件に留意した設計を担える技術者として数多くの河川構造物の設計や、家屋連担地での狭隘なヤードと軟弱地盤低土被りシールドトンネルによる放水路建設、堤防の鉄道近接盛土など施工が極めて困難な構造物の設計・検討を担当してきたこと、さらに、講習会講師、著書、協会活動等多岐にわたり社会貢献していることに加え、後進育成に努めていることなどが評価され、今回の受賞となりました。 

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