PROJECTプロジェクト紹介

地域住民の想いを未来へつなぐ

所在地: 宮城県気仙沼市
期 間: 2016年2月19日~2022年3月31日
発注者: 宮城県気仙沼土木事務所

大谷海岸の砂浜再生まちづくり事業

大谷海岸(宮城県気仙沼市)は、年間6 万人を越える海水浴客に親しまれていた白砂青松の美しい海岸でした。しかしながら、東日本大震災により甚大な被害(死者75 人、建物被害946 棟〔地区の48%〕)を受け、地区の象徴であった砂浜は、津波による流失や広域地盤沈降により大きく後退しました。

大谷海岸の防潮堤は、所管の違いから陸側への引堤ができないため、当初は砂浜上に計画されましたが、地域住民が白砂の海水浴場の復活を希望し、自ら有識者を招いて独自の勉強会を設立して地域のあるべき理想像を行政に提案しました。行政側も大谷海岸の所管の変更や関係省庁との調整を行い、地域と協調しながら国道の嵩上げを含む陸側への引堤を実現させました。

当社は、2016 年から6 年にわたり大谷海岸の整備事業に設計や発注者支援で携わりました。行政側の立場に立ちつつ、地域の要望を最大限取り入れた設計となるように、地域や関係機関との協議を重ね、背後地の利活用や景観への配慮、海水浴場の復活などの調整を行い、設計後も発注者支援を通して完成まで奔走しました。

本事業は、地域と協働しながら整備を進め、「第2 回グリーンインフラ大賞 国土交通大臣賞」(防災・減災部門)だけでなく、2017年に「日本自然保護大賞」、2022年には「全建賞」を受賞するなど、各方面で高い評価を受けました。