PROJECTプロジェクト紹介

国交省直轄ダムで初採用された技術

所在地: 赤川水系梵字川(山形県鶴岡市) 
期 間: 1978年~2012年
発注者: 国土交通省東北地方整備局月山ダム管理所 

鶴岡市月山ダム治水事業プロジェクト

月山ダムは、山形県鶴岡市の一級河川・赤川水系梵字川に建設されたダムです。赤川水系の河川は、急流となる上流部に比べ下流部が緩流であり、中流部より下流において歴史的に水害が繰り返されていました。その対策として1917年には赤川の河川の改良工事が行われたものの、水害は治まりませんでした。そこで次の治水事業の一環として計画されたのが月山ダムです。高さ123メートルの重力式コンクリート形式。洪水調節、流水の正常な機能の維持、そして発電はもちろん、当時は地下水を水道水の水源としていた鶴岡市をはじめとする庄内南部地域の安定した水源の確保を目的として2001年に完成しました。
ダム湖の名称は「あさひ月山湖」で、湖を一望できる「あさひ月山湖展望広場」には静岡市出身の彫刻家である加藤豊の『月の女神』が、月山ダムを見守るように設置されています。
月山ダムでは監査廊などダム内部の見学が可能となっています。希望者は月山ダム管理事務所に申し込みましょう。また、ダム堰堤の南側にある「月山ダム地域防災センター」には月山ダムの洪水防止機能を紹介した展示があります。
建設技術研究所は、本体設計にプレキャスト型枠を積極的に利用し、施工計画・施工設備設計では、ダム本体のコンクリート打設に合理化施工法のひとつである「RCD工法」とコンクリートの運搬設備として「ベルトコンベアシステム」の併用を提案し、国土交通省直轄ダムで初めて採用されました。
また、管理への移行後も2012年まで、ダム本体の管理に欠かせない地震計やプラムライン、揚圧力、漏水量、変位、ひずみ等、さまざまな堤体挙動の安定性の診断にホームドクターとして従事しました。