PROJECTプロジェクト紹介

田中賞を受賞した世界初の融合橋梁

所在地: 群馬県吾妻郡長野原町
期 間: 2002年
発注者: 国土交通省関東地方整備局八ッ場ダム工事事務所

長野原町不動大橋プロジェクト

長野原町の八ッ場あがつま湖に架かる全長590mの不動大橋。世界初の「鋼・コンクリート複合トラス・エクストラドーズド橋」として、2004年3月に着工されました。
2009年鳩山由紀夫内閣により八ッ場ダムの建設中止が打ち出されたことで、マスコミに象徴的な施設として取り上げられましたが、八ッ場ダム建設に伴う付替県道の一部として計画は続行。群馬県側が事業継続を示したことに加え、国側が2010年に行われた住民の意識調査の結果を踏まえた際に、生活再建事業の一部として事業の継続を表明したという背景があります。そしてこの際の設計を、建設技術研究所が担当しました。
工事中の名称は湖面2号橋でしたが、近隣の名滝「不動滝」にちなんで2010年に「不動大橋」と命名されました。その後、2011年の完成予定が同年3月発生の東日本大震災による影響で延期となった経緯があります。
軽量かつ景観性に優れるという特徴を持つ「PC複合トラス」と材料を軽減しコストダウンを図ることが可能な「エクストラドーズド橋」の技術を融合させ、複合橋梁を建設するための技術的発展に大きく貢献したと評価されたことから、不動大橋は2010年土木学会田中賞を受賞しました。ちなみに、「PC複合トラス」と「エクストラドーズド橋」を融合することにより、国内のPC複合トラス橋としては、最小の桁高(6m)と最長のスパン(155m)を実現しています。