WORK & LIFE

先輩社員のワーク&ライフ

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環境部吉井 千晶2015年卒
大学院 環境資源学専攻
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環境部吉井 千晶2015年卒
大学院 環境資源学専攻

PERSONAL DATA

幼い頃から動物が好きで、よく近所の六甲山でバードウォッチングを楽しんだという吉井。高校卒業後、本格的に野生動物の研究をするために北海道の大学へ。大学のフィールドワークに飽き足らず、大学院でも動物と森林の研究に励む。その後、自然保護と公共の利益という二つの立場を調整する仕事がしたくて、コンサルタントであるCTIへ。現在は東京本社の環境部に所属し、絶滅の恐れがある猛禽類をはじめとする各種動物の調査や保全対策の検討、魚道改修方針の検討、森林再生のため、毎週のように人里離れた山中に分け入り、道なき道を突き進む。2017年に結婚した時も、ハネムーンの旅行先に秘境アマゾンのジャングルを選ぶなど、仕事とプライベートの境界で楽しむ超自然派女子。

W&L QUESTION. 01

私の仕事の頑張りどころ

全国の山林で何日もかけて調査を行い、オフィスに戻って調査結果の整理と考察を繰り返すため、「女性なのに大変ですね」などとよく言われます。でも、みんなで協力して休日は取りやすいですし、女性の先輩もいますから、決して女性だから大変という仕事ではありません。

それよりも大変なのは、さまざまな立場の「板ばさみ」になること。たとえば猛禽類の調査。猛禽類とはワシ・タカ・ハヤブサなどの鳥類のことで、残念ながらその多くが絶滅の危機に瀕しています。彼らは春に卵を産み、卵から孵ったヒナは6~7月頃に巣立つのですが、ヒナの巣立ちまでに近くで工事を行うと、親鳥は巣を捨てて逃げてしまうことがあります。

ですから、環境の保全と、工事が共存できるような保全対策が必要です。ここが、私たちの仕事の最も重要なところ。そのために工事現場周辺の山林を私たちが調査し、付近に猛禽類が生息してないかを確認します。もし生息が確認されたら、工事工程の調整などの保全対策を検討し、関係機関に報告・相談します。この時、工事による公共の安全と、絶滅危惧種の保護という二つの考え方の間で板ばさみになります。

こういう時は、公的なガイドラインと、自分が見て聞いて感じたことを元に、粘り強く交渉し、合意形成を図るしかありません。でも猛禽類がいるということは、その下に豊かな生態系が広がっているということ。私たちの仕事は、そんな大切な環境を守るのに不可欠な仕事なのです。

W&L QUESTION. 02

最近1年間の仕事量

CTIの中でも、環境部は季節による仕事量の変動は比較的小さい部署だと思います。猛禽類調査の仕事は4月にスタートして夏頃まで続くことが多いため、春・夏シーズンの平日は山林での調査と、調査結果の整理・考察、保全対策の検討などに追われます。

一度出張に行くと、現地に宿を取って3~4日は滞在することになります。今年、私は北陸の仕事が多く、新潟県の越後湯沢周辺、長野県の上高地近辺や北アルプス、群馬県の尾瀬付近などによく行きました。

秋になるとほとんどの調査が終了し、仕事量も落ち着きます。でも冬になると報告書のとりまとめが増えてくるため、長期の休暇を取るとしたら秋がチャンスです。

W&L QUESTION. 03

OFFのつくり方・使い方

私はプライベートが充実していないと仕事に身が入らないタイプなので、仕事の時間とプライベートの時間は完全に分けるようにしています。ですから、普段から休日は会社支給の携帯電話は持ち歩かず、画面を見ることも滅多にありません。とはいえ、平日は調査のために山林に行き、休日もプライベートで山登りをしていますから、傍から見たらしていることはほぼ同じなんですけどね。

私に限らず、環境部はアウトドア派が多いと思います。長期の休みを取って旅行に行く人もおり、「今年はどこへ行く予定?」などという会話が交わされます。私の場合、この1年では去年の秋と今年の夏に2度の長期休暇を取りました。

秋は1週間、ネパールを放浪。そして夏はハネムーンで、2週間アマゾンのジャングルを巡ってきました。

そんな環境ですから、長期休暇は取りやすいと思います。私の場合、8月にハネムーンに行くために、先に休暇中の仕事をリストアップし、前前にある程度済ませました。また私が不在中にお客様から問い合わせがあった時に備えて、想定される質問とその回答を書いたメモをつくっておきました。こうして、お互いが当たり前に協力する体制が整っていることがとても嬉しく思います。

W&L QUESTION. 04

これからの働き方

環境部では、スタッフ一人ひとりが、植物・魚・鳥・昆虫などの専門分野を持ち、さまざまな専門分野を持つスタッフがチームを組んで調査に行きます。私は昔から鳥が大好きでしたから、鳥のことなら誰にも負けないような専門知識を持とうと思っています。

そう考えると、今、山林の調査で野生の鳥に触れられているのは、いわば幼い頃からの趣味がそのまま仕事になったようなものです。だから、毎日がとても充実しています。いつか子供ができても、この仕事をずっと続けていきたいと思っています。私のチームにも、これまでに産休・育休を2度取得して復帰された女性の先輩社員がいます。

さすがに現地調査に出かける頻度は少なくなりましたが、彼女は今でも楽しそうに仕事をしていて、私もあんな風に仕事ができたらと思っています。そして今後はもっと多くの業務を経験し、より最前線で活躍できる環境エンジニアになるのが私の目標です。

上司からのコメント

関根 秀明

関根 秀明東京本社
環境部長

オンとオフの使い分けが上手な吉井さんですが、オフでも仕事に近いことを楽しんでいるあたり、多分、根っからの「コンサル人」だと思います。当社は、彼女の天職なのでしょう。彼女の仕事ぶりを見て感心するのは、効率性の追求と同時に、先輩の指導に従って確実に成果を出していること。これも天職のなせる技に違いありません。また周囲への気遣いも抜群で、新婚旅行のお土産として私にアマゾンに生息する魚の鱗をくれました。「靴ベラにしてください」だそうです。人に気を使わせずさりげなく環境感をアピールする、このセンスも素敵です。