WORK & LIFE

先輩社員のワーク&ライフ

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水システム部古賀 達也1999年卒
大学院 都市システム工学専攻
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水システム部古賀 達也1999年卒
大学院 都市システム工学専攻

PERSONAL DATA

大学時代から川に関する研究がしたかったという古賀。「川に関わる仕事なら、ここしかない」とCTIに入社した。希望通り大阪本社の河川部に配属され、河川の基本計画の策定などに関わった。東京本社に異動後は水システム部に配属され、首都圏の大規模水害対策プロジェクトやタイ・チャオプラヤ川基本計画プロジェクトを経験。現在は同部のグループリーダーとして、利根川の洪水浸水想定区域図の検討プロジェクトの他、国の「水防災意識社会再構築ビジョン」に基づいた浸水地域の排水計画の検討などを担当する。最近、グループメンバーの人柄・得意分野などを把握した上での社員教育の大切さを実感する。

W&L QUESTION. 01

私の仕事の頑張りどころ

最も大変だったのは、2009年に担当した首都圏大規模水害対策。近年、災害を防ぐよりも、災害時に被害を極力少なくする「減災」という考え方が主流になっています。このプロジェクトでは、内閣府の主導のもと、荒川が氾濫したら首都圏がどれだけの被害が生じ、減災のためにどのような対策が必要かをシミュレーションにより検討しました。

まず川のさまざまな地点で、どれだけの雨量でどれだけの流量が発生するかを計算し、破堤が生じた場合の被害状況を把握した上で、必要な対策を検討。その後、大学教授や関係自治体の責任者など総勢40~50名で構成される「専門調査会」にて意見を確認していきます。

私たちは専門知識にもとづく提案を行う建設コンサルタントの立場ですから、会議のたびに「その数字や対策の理論的根拠」に関する質問が両方から相次ぎます。2カ月ごとの会議の直前は夜遅くまで、さらに土日も使ってその準備に追われました。でも、委員会が終わるたびにみんなで乾杯し、日ごろの努力を称え合いました。

このプロジェクトが画期的だったのは、初めて日本の河川に「超過洪水」という概念を持ち込んだこと。これまでの河川計画は100年?200年に一度の確率で起こる洪水を想定していました。しかし昨今の気候変動により、大規模な水害に対する備えが重要であることが調査会の設立趣旨であり、この時には「1000年に一度」という雨量を想定した氾濫シミュレーションでさまざまな対策を検討していきました。忙しい日々でしたが、私たちの検討した結果が国民の安全確保に少しでも寄与できているという実感が、私たちの一番のやりがいです。 

W&L QUESTION. 02

最近1年間の仕事量

河川のプロジェクトは、新年度が始まった4月頃に受注活動がスタートします。近年はプロポーザル(技術提案コンペ)が多く、これまでの実績をふまえて今年度の提案書を作成します。この提案書というのは、一件につき10数ページ。年間を通じて最も穏やかな時期です。

夏前頃から新規受注した業務が動き始めます。同時に、この頃にはみんなで夏休みを取るための調整作業が発生します。9月・10月と相変わらず比較的穏やかな日々が続き、11月頃から年度末に向けて徐々に忙しくなっていきます。

そして年明けから3ヶ月が一年を通して最も忙しい時期。近年、年間の仕事量を平準化させるため、成果物の納品時期を9月?12月といった早めに設定してくれる発注者も増えてきましたが、まだまだ少数派のようです。

W&L QUESTION. 03

OFFのつくり方・使い方

入社した頃から、どうすれば業務を早く終えられるかを考えてきました。その方法は大きく二つあると思っています。どちらも、後の苦労を先にしておく、という考え方です。

一つは、解析の自動化。私たちの仕事は解析用のデータを作成するために多くの作業を必要としますが、極力手作業を発生させないように業務量が少ない時期にエクセルのマクロや、VBAを組んだりして自動化を図ります。

こうすることで、解析の後工程である解析結果の考察、検討に多くの時間を使えるようになりました。

もう一つの方法とは、プロジェクトの開始段階に最終的な報告書の章・節・項の流れを先に立てておくこと。最初に全体像を俯瞰することは大変な作業ですが、経験的に、これによって後の工程が想像以上に楽になります。

でもグループリーダーとしては、自分の仕事が早く終わるだけでは意味がありません。チーム全員のワークライフバランスを考慮しつつ生産性を上げることも私のミッション。チームのメンバーがオフの時間を取りやすい環境づくりのため、私は毎年4月、チーム全員の前で「みんなが残業していたら、僕も会社に残る。でも、みんなは僕を気にしないで帰りなさい。」と宣言します。上司としては、全員の仕事の状況を把握しないで会社を後にできませんから。

長期の休暇は、子どもがまだ小さいので家族で国内旅行を楽しんでいます。今年はみんなで温泉に行きました。最近、妻と二人で釣りにハマっているので、普段の休日は釣りに出かけることも多いですね。

W&L QUESTION. 04

これからの働き方

リーダーとしては、今までと変わらず、何かと理由をつくっては飲み会を開催し、メンバーの悩みを聞いたり、良いところを徹底的にほめたりしていきたい。やっぱりワークライフバランスの質って、ただ時間を短縮するだけの問題ではなくて、どれだけ「楽しんで仕事ができているか」も重要だと思いますから。

個人的には、東京本社に転勤になってから10年以上が経過したので、そろそろ他の支社も経験し、その土地ならではの仕事のやり方を学びたい。今はグループリーダーですが、今後はもっと上の管理職をめざしたい。でも、管理しかできない管理職になりたいとは思いません。

昔、会った上司が、とてもメンバーの面倒見が良くて、メンバー全員から信頼されていて、さらに自分で実務もこなしてしまうというスーパー管理職でした。ああいう人になりたいといつも思っています。

後輩からのコメント

端戸 尚毅

端戸 尚毅東京本社
水システム部

各班員の業務の進め方、時間の使い方にまで踏み込んだマネジメントを行なっているのが古賀さんのすごい所です。一般的に建設コンサルタントの業務は非定型的であるため、担当者の裁量権が大きい一方で、負担を平準化しにくい難しさがあります。古賀さんはそこにメスを入れ、部下ひとり一人の業務遂行時間を見直し、時間あたりの生産性を上げながら、班員のプライベートが充実するための時間確保を徹底しています。また、班員が全員帰宅するまで在社することを自身に課していて、突発的な仕事で残業せざる得ない部下をいつも手伝ってくださっています。