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CTIナビ 〜技術分野エキスパートに聞く〜

第18回 都市・建築分野

優れた都市計画と設計により、住みやすいまちづくりを提案する

東京本社 都市部長今井 敬一

Profile

入社年:1993(平成5)年キャリア入社

略歴:大学では交通計画を専攻。前職では主に道路設計の業務を担当する。当社の技術第2部(当時)に配属となり、道路設計や道路計画の業務を担当する。2008(平成20)年4月から北海道支社次長および北海道道路室長を兼務。2013(平成25)年4月から都市部長を務める。

専門:都市交通・道路計画、交通需要マネジメント(TDM:Transportation Demand Management)

趣味:近所の山歩きや音楽鑑賞。ロック、ポップス、クラシックのほか、最近ではジャズにも幅を広げるなど、ジャンルを問わない音楽愛好家。

都市・建築分野における当社のこれまでの取り組みについて

伊香保石段街

 東京本社の都市部は2001(平成13)年に発足し、その後、地域マネジメント室と景観企画室が部内に設けられ、まちづくり計画などの市場を開拓しました。2009(平成21)年にPFI・PPP室が合流して都市システム部となり、都市部門の調査・計画・設計に加えて事業開発まで実施できる組織に成長しました。2015(平成27)年に名称が都市部に変わり、計画系と設計系のグループが整備されました。東北支社、大阪本社および九州支社にも都市・建築部門の部署があり、都市計画・交通計画やPFI事業など、さらに周辺分野に展開することを目指しています。
 都市部を立ち上げた当初は、それまで社内に分散していた技術や人材をまとめて、都市に関する計画から設計までの一連の業務を一手に担える組織を立ち上げることを目指しました。受注に苦労した時期もありましたが、東日本大震災後の復興まちづくり事業にあたっては、都市部がそれまでに蓄積したノウハウを活かし、活躍の端を得ることができました。
 都市・建築分野の主要な業務には、都市交通関連施設があります。都市の中にある施設として、公園や駅前広場とそれに付随する構造物の設計、ペデストリアンデッキなどの土木設計が主なものとなります。また、2015(平成27)年に建築、設計を主力とする株式会社日総建(以下日総建)が当社グループに加わりました。これにより、建築と土木が一体となった複合施設にも取り組めるようになりました。
 その他、2019年にラグビーワールドカップが日本で開催されるのを受け、釜石市内に建設予定のラグビー場の外構部分の基本計画の策定にも携わっています。「平成27年度都市景観大賞」では、当社が手掛けた群馬県渋川市の伊香保石段街地区が都市空間部門優秀賞を受賞するなど、景観整備の分野で高い評価を得ています。

都市・建築分野の今後の展開について

 一つは、都市・建築分野の主力業務である都市・交通計画、都市施設設計、PFI・PPPに関する業務を、復興事業も含めてさらに拡大したいと考えています。2015(平成27)年にPFI・PPP室が国分寺市にて公共施設の建替えに関する整備手法の検討業務を受注しましたが、都市をコンパクトにして、その後の公共施設の使い方についてマネジメントしていく事業などに展開できないか模索しています。
 二つ目に、都市内の再開発事業に取り組みたいと考えています。都市空間では土木も建築も関係なく、道路や河川のように区分がはっきりしているわけでもありません。これらを一緒に考える必要があります。したがって当社単体での受注を目指すよりも、グループ会社の日本都市技術株式会社(以下日本都市)や日総建と一緒になって、新たな事業に取り組みたいと考えています。現状では、都市事業はグループ会社がそれぞれ個別に受注しています。たとえば、当社は都市再生のプロジェクトに水辺空間の業務で参加する一方、日総建は周辺施設の建築設計に参加したり、日本都市は区画整理で参加したりといった状況です。これをグループが一体となって、一つのプロジェクトに取り組みたいと思います。
 三つ目は、海外展開です。現状ではほとんど取り組めていませんが、当社の国際部とも議論をし、当社が国内で扱っている技術を活かせる市場の情報を集めているところです。海外展開につきもののリスクを十分に吟味したうえで、取り組める案件を絞っていきたいと思います。

都市・建築分野のトピックスについて

バスタ新宿における歩道舗装設計や植栽設計

 2016(平成28)年4月に開業した新宿駅南口の高速バスターミナル、バスタ新宿が挙げられます。バスタ新宿は1日に約1,600 便の長距離バスが発着する国内最大のバスターミナルですが、建築物内を国道が通過するという他に例を見ない複合施設となっています。当社はバスタ新宿そのものの設計を担ったわけではありませんが、歩道の舗装や植栽などの周辺業務を手掛けました。
 その他の複合施設として、渋谷区幡ヶ谷の複合施設があります。この施設の建築設計は日総建が担当し、隣接する公園は当社が設計を担当しました。グループ企業で対応できるこのような複合施設事業については、これからも積極的に取り組みたいと考えています。さらに土地の権利関係の問題がある場合には、日本都市も事業に参加できますので、さらにグループの力を結集できます。
 

幡ヶ谷の複合施設における公園設計

 また、立地適正化計画という手法があります。これは都市機能を集約するエリアと、居住機能を誘導するエリアを決めて都市機能を決めるものです。現在使用しているインフラ、たとえば公民館、図書館や学校などがあった場合、それらが老朽化したときにどれを残すのか、どれを集約するのかという計画が必要になります。そのような業務でコンパクトシティに向けた役割を担うことができると思います。具体的には、学校集約であれば建物の設計があり、複合施設であれば公園整備があるなど、グループ企業の連携が必要になります。

都市・建築分野に携わる専門家として、仕事に対する信条などありましたら教えてください。

 目の前の課題を解決しつつ、長期的な視点に立って住みやすいまちづくりに貢献していきたいと思います。
 たとえば、人が集まる駅であれば、人の流れをスムーズにするためのデッキの動線や、どこに一時駐車スペースを確保するかなどを総合的に考え、使いやすい都市施設を作りたいと考えています。
 私の技術者としての経歴は、前半が道路設計、後半が道路計画や都市交通計画を中心としています。こうした経験を踏まえて違いを考えてみますと、道路の場合には、いかに目的地に早く到着できるようにするか、渋滞をどのように解消するかという「ライン」で考えますが、都市の場合には、集約された駅前広場や公園などを「面」として捉え、そこをいかに使いやすくするか、機能を発揮させるかを考えることになります。
 このように振り返ってみると、道路と都市には、設計を行うにあたって技術的に共通する部分がかなりあります。
 橋梁設計や道路設計も奥が深いのですが、より広範な知識や技術を必要とする都市分野は、私には大変魅力的です。何にでも興味を持ち、オールマイティーな技術者を目指したいという若い方にぜひ仲間になって欲しいと思います。

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