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第2回 道路・交通・鉄道分野(その1・道路計画)

交通計画に新しい視点から挑む

東京本社 道路・交通部長江守 昌弘

Profile

入社年:1988(昭和63)年

略歴:新卒入社で道路系の部署に配属(4年)された後、当時の建設省土木研究所(現在は独立行政法人土木研究所)に交流研究員として1年半出向。その後、東京本社、中部支社の道路系の部署を経験し、2014年4月から東京本社道路・交通部長。

専門:入社当初、道路設計業務を行っていたが、会社の方針で道路計画分野への展開を図るにあたり、道路計画分野に従事し、その先駆者のひとりとなる。専門は、道路計画系業務を中心に道路空間整備、交通調査・解析、交通管理・交通対策、道路管理など多岐にわたる。

趣味:社内結婚の奥さんとの旅行。体を動かすことが好き。

道路・交通分野でのこれまでの取り組みを教えてください。

私が入社した約25年前は、当社道路部門の主体は道路設計や橋梁設計でした。その後しばらくして、設計に至るまでの計画や調査にも徐々に仕事の幅を広げていきました。
地域的にも、首都圏の計画系業務を皮切りに、中部、関西、東北、九州地方など、ほかのエリアにも展開していきました。
当社がこのように業務範囲を広げていけたのは、クライアントの技術的なパートナーとして誠実であったからだと思います。これが、会社の強みとなって、いろいろなクライアントの信頼を得ることになり、様々な新技術の相談にも応じてきました。
今では、道路設計・道路計画だけでなく、交通調査・解析、自然環境への影響緩和や騒音・振動などの生活環境への配慮などを行う道路環境、道路に関する都市施設の計画・設計、ITS(高度道路交通システム)、道路の維持管理、トンネルの計画・設計など、多くの分野に広げています。

道路・交通部門の今後の展開について教えて下さい。

社会基盤整備全般に言えることですが、道路・交通部門でも既存施設の維持管理の重要性が増しています。当社としても維持管理の対応に重点化して取り組んでいます。
また、道路防災、交通安全の分野についても、積極的に取り組んでいます。たとえば、交通安全では、事故を分析することにより、事故が起こりにくい交差点に改良する計画を行っています。2013年12月に道路交通法が改正され、自転車が車道で右側通行をすることが禁じられました。これについては、自転車通行帯などのハード整備とともに、マナー教育などのソフト面の充実も図っていくことを積極的に提案しています。その一環として、中学校への出前講座なども担当しています。
道路防災については、道路脇の斜面の安全点検なども行っていますが、避難道路の計画や災害時の道路啓開(被災した道路を通行可能な状態にすること)の優先順位検討や災害時の支援物資輸送システム構築検討など、大規模災害への取り組みも行っています。
また、全国各地に整備され、国が積極的に進めている「道の駅」の防災拠点化を支援しています。「道の駅」は、1993年に「道の駅」制度が発足しました。その制度発足には当社も参加し、要綱や各種マニュアルを作成しています。当社が計画・設計した「道の駅」は全国に多くありますが、関東地方では規模が大きく、利用実績の高い「道の駅・庄和(埼玉県春日部市)」は当社が担当した成功事例であると思います。
また、道路分野だけでなく、鉄道分野への展開も図っています。鉄道は専門の建設コンサルタントが計画・設計することが多いのですが、当社は、総合建設コンサルタントの強みを活かして、河川を渡る鉄道橋や道路と交差する踏切の計画・設計などに取り組んでいます。

改良後の交差点(右折車をスムーズに誘導)

改良前の交差点(国道17号熊谷バイパス行田市前谷交差点)

道路・交通分野のトピックスとして、「物流」に着目した取り組みをしているそうですが、どのような取り組みなのか、教えてください。

「物流からみた道路交通計画-物流を、分ける・減らす・換える-」

2014年2月には、「物流からみた道路交通計画-物流を、分ける・減らす・換える-」を出版しました。この本は、苦瀬博仁(くせひろひと)教授の監修のもと、当社で道路計画系業務を担当している有志による「物流研究会」が著作・編集したものです。私も参加しました。
「物流」とは、人ではなく物の流れを指し、生産と消費をつなぐ重要な活動です。かつての物流は船舶や鉄道を中心に行われていましたが、現代では貨物自動車がその中心的な役割を担っています。私たちは、その「物流」に着目して、「物流研究会」を4年前に発足させました。この研究会は、道路計画を行う技術者の立場から、「物の流れを主体として道路をみるとどうなるのだろう?」という疑問を抱いたところからスタートしました。苦瀬先生や物流の専門家を囲んで基礎的な勉強から始めました。そして、4年間の成果を一冊の本にまとめました。ほぼすべての文章を当社の社員で執筆しましたが、通常業務と並行した作業だったので、みんなよくがんばったと思います。文章の校正のみでなく、成果に対する議論を重ねた結果、一般の方々にもわかりやすく、かつ、学術的にも十分な内容の本になったと自負しています。各章の最後の節には、自分たちの物流に対する提案を盛り込みました。中には驚くような提案もありますので、ぜひ、手に取って読んでいただきたいです。

都市の物流マネジメントの3つの対策(分ける・減らす・換える)

今後、道路インフラ整備には、土木だけでなく、経済はもちろん、法律、心理学など、幅広い分野の視点から事業開発を進めることが大切と考えます。たとえば、交通事故は人の心理が事故を招いている要素があると思うので、心理と交通行動の関係を解明できれば事故を少なくできるかもしれません。ただし、そこに至るには緻密なデータ解析が必要で、世の中にあふれるビッグデータをうまく活用するなど、定量的な解析に基づいた計画を行うことが重要であると思います。

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