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第3回 情報・防災分野

情報を収集し、わかりやすく伝えることで社会に貢献する              ~来たれ!電気・電子系学生~

東京本社 情報部長福島 博文

Profile

入社年:1982(昭和57)年

略歴:新卒入社時に大阪の河川計画の部署に配属されて以来、16年間河川計画系業務に携わる。その間、1985年に広島出張所(当時)に技術の部署を開設するにあたり、プログラミングに強い人材として起用されるなど、情報システム系の仕事で地歩を固める。1994年から大阪支社環境・システム部(当時)でGIS(地理情報システム)を用いた防災システムなどの分野を開拓し、1998年に大阪支社情報技術部(当時)に異動。2004年からは東京本社情報部に転勤し、2010年から情報部長を務めている。

専門:河川の治水・利水計画を担当する中で、情報システム関連が得意であることを活かし、水防支援システムなどを担当。センサを用いた河川情報の収集・解析も得意とし、1992(平成4)年当時国内で初めて河川領域においてADCP(河道断面の3次元流速分布を測定する装置)を用いた観測および解析を行った。情報分野では、CALS/EC(公共事業支援統合情報システム)の整備計画や防災情報システムに携わる。

趣味:写真を撮るのが好き。東京ディスニーリゾートに行くのが趣味。

情報分野でのこれまでの取り組みを教えてください。

道路トンネル電気通信設備の設計の例

 当社の情報分野は、東京電算室が元祖です。それから、システム開発室や情報技術部・情報企画部を経て現在の情報部と発展してきました。
 JACIC(一般財団法人 日本建設情報総合センター)が1985年に設立されたのを受け、JACICの技術支援を通じて情報分野の市場を大きく拡大していきました。河川GIS、CALS/ECやCORINS/TECRISシステムなどは当社が先駆けて開発支援したシステムです。
 情報分野は、情報システムを開発するだけの部署ではありません。社会インフラを整備するに当たって必要不可欠な電気通信設備設計を担っています。社会インフラといえばダムや橋梁、トンネルなどを思い浮かべますが、そこには必ず電気通信設備が配置されています。たとえば、トンネル内であれば照明設備があります。道路には道路情報表示板や交通流を計測するセンサーや監視カメラ設備があります。また、それら現地で収集した情報を監視センターへ伝送する光ケーブルや無線設備があります。これらの設備を設置するためには適切な条件のもとでの設計を行う必要があります。

水門・樋門の遠隔操作化の例

 また、東日本大震災の際には、津波遡上を防ぐために消防団の方々が水門や樋門の扉を閉めに現地に行って津波の被害に遭いました。これを契機に、監視センターから水門・樋門の遠隔操作ができる設備設計なども行っています。さらに、避難を呼びかける防災行政無線装置の設計およびメールや地上デジタル放送のデータ放送への防災情報提供など様々な手段で伝達する手法について検討・設計を実施しています。
 東京本社情報部の現在のグループ構成は、電気通信設計グループ、消防救急・防災行政無線の無線デジタル化グループ、特殊車両・ITS・システム開発グループ、防災・行政情報システムグループの4つがあります。

情報分野の今後の展開について教えて下さい。

 社会インフラは、維持管理の時代であるといわれています。電気通信設備も同様に劣化もするので点検・更新することとなります。また、電気通信技術の進歩は目覚ましく、更新する時期には交換部品がない場合があります。計画的な設備の更新をしていく必要があり、維持管理コストを可能な限り抑える必要があります。国内の電気通信設備に順次最新技術を導入しつつ更新していくことが求められています。情報分野ではこうしたニーズに応えるために、日々新しい技術の習得に努めています。
 例えば、消防署と消防車や救急車との通信は、消防救急無線という特定無線を使ってやり取りしています。これは、普通の携帯電話を使うと緊急時(地震等)に通信が輻輳して使えなくなる恐れがあるためです。従来はアナログ方式の伝送(容易に盗聴でき妨害電波を出すことも可能であった)でしたが、一刻を争う状況下で使用することから、デジタル化してより正確な情報及び高度化した情報伝達ができるよう転換されつつあります。情報分野では、デジタル情報を受け取る中継局をどこに設置すれば地域内でくまなく情報を受送信できるか、という計画や設計を行っています。
 また、東日本大震災の時に津波情報を伝えた防災行政無線についても、現在はアナログで運用していたり未整備の自治体があったりしますが、それをデジタル化することや財政的に困難な未整備自治体にも整備しやすい安価な防災行政無線の整備提案も重要な業務となっていきます。これらは、直接人命救助につながる分野ですので、今後も力を入れて取り組むべきと考えています。
 特殊車両・ITSグループで扱うデータは膨大な量であり、ビッグデータと呼ばれています。こうした情報をリアルタイムに処理して交通流制御などに高度利用できるように研究開発を進めています。
 防災・行政情報システムグループでは、国土交通省や総務省と一緒に調査検討業務を進めており、計画の最上流工程の委員会運営などに対応しています。また、国内技術の海外展開への企画など幅広い知識と高度な情報の取りまとめ能力を生かした業務を進めていきます。

災害情報システムの例

社会資本整備の中で、情報分野はこれからも進歩していくことが期待されていますが、当社の情報分野が進歩するために、どのような人材に期待していますか。

 情報分野は、東京・大阪・中部・九州の各本支社に配置されていますが、全国規模でさまざまな業務を行っていますので、幅広い人材が必要です。いろいろな分野の人が活躍できる場がありますので、多くの学生のみなさんに知ってもらい、仲間を増やしていきたいと考えています。
 力を入れているのは、「電気・電子系」の学生です。この分野の学生は建設コンサルタントを志望することが少ないのですが、情報分野には欠かせない人材なので、電気・電子系学生用の会社説明資料も作成しています。メーカーでの物づくりも魅力的でしょうが、社会インフラ整備を通じて社会貢献できるこの仕事もとても魅力的です。電気通信設備はインフラ整備には必要不可欠で、重要な役割を担っていますので、この分野の学生諸氏の入社を心より待っています。

最後にお聞きします。情報・防災分野が果たす社会貢献とは、なんでしょうか。

 これから目指すべきは、地域の特性に合わせたきめ細かな災害情報の収集、防災情報を伝達する仕組みです。どの地域でも使えるパッケージ化されたシステムを作るのではなく、地域の事情を考慮した多様なシステムを作る必要があります。たとえば、外国人の多い地域では、多言語に対応することも必要です。
 わたしが信条としているのは、災害はハード整備だけでは決して防御できず、いかに正確に、早く、わかりやすく情報伝達を行い、自ら防御(避難)することにつなげていくか、ということです。自治体の長が、避難指示判断をする場合にも、入ってくる情報が正しくわかりやすいものである必要があります。そのための情報伝達の仕組みを整えることをいつも念頭に置いています。また、これと同時に、国民の教育・訓練などを行うことも重要な役割です。これらを行うことで社会貢献をしていく、というのがわたしの信念です。

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