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第13回 資源循環分野

技術力を磨き、これからの地球環境も見据えた循環型社会を支える

東京本社 地球環境センター長西山 勝栄

Profile

入社年:2005(平成17)年4月キャリア入社
略歴:大学では土木工学科に在籍し、河川工学で卒業論文を書いた。前職のゼネコンでは、原子力発電所の放射性廃棄物の地層処分、最終処分場関連の技術開発や、環境修復工事の設計および施工支援などを行っていた。当社に転職後は、まだ実績の少なかった資源循環分野に一貫して携わり、最終処分場関連業務や不法投棄対策業務などを担当。近年は、原子力発電事故に関する放射線モニタリング調査や除染・中間貯蔵施設事業などにも携わっている。2015年4月から現職。
専門:最終処分場の計画・設計・施工監理、不法投棄や不適正処分場の適正化対策の計画・設計・施工監理
趣味:減量を兼ねた休日のウォーキング。

資源循環分野における当社の取り組みを教えてください。

新小山処分場(写真提供:一般財団法人三重県環境保全事業団)

 当社の資源循環分野は、組織としては1986年の大阪本社(当時は支社)環境対策室の立ち上げから始まります。廃棄物最終処分場の設計は、ダムの設計技術を応用できるため、ダム分野の技術者が携わっていました。現在は、東京本社では「地球環境センター」と、大阪本社「地圏環境部資源循環室」が計画・設計を担当し、東京、大阪、東北、九州の各「地圏環境部」が調査を担当しています。
 資源循環分野で対応している主な事業は、廃棄物処理施設(中間処理施設、最終処分場など)の調査・計画・設計および発注者支援のほか、土壌汚染・地下水汚染などの環境修復対策の調査・計画・設計・施工監理、放射能汚染対策の調査・計画・設計などです。その他、廃棄物処理・災害廃棄物処理の計画などにも対応しています。
 10年前、資源循環分野の職員数は6人程度でしたが、その後増えていて、現在は20人ほどで対応している状況です。

資源循環分野でのトピックスについてご紹介ください。

 東日本大震災後、資源循環分野の業務内容にも大きな変化がありました。福島の復興に向けた取り組みとして、まず、放射能汚染対策関連業務があげられます。当社はいくつかの自治体の除染後の放射線モニタリング業務を担当し、避難指示解除や住民の帰還などを支援しています。
 また、除染土壌などを安全に貯蔵する施設として中間貯蔵施設が造られる予定ですがその計画・設計も担当しています。貯蔵施設の基本構造検討を2012年度から行い、今年の秋以降には工事着工となる見込みです。この中間貯蔵施設の構造は、これまでに担当してきた最終処分場の構造を参考にしています。
 さらに、東日本大震災では、災害廃棄物、いわゆる瓦礫の処理が大きな問題になりましたが、今後起こりうる南海トラフ地震などへの対策として、各都道府県には災害廃棄物の処理計画を立案することが求められています。これについても、現在取り組んでいるところです。

宇都宮市新最終処分場イメージ図(宇都宮市資料より)

 もう一つのトピックスとして、不法投棄対策があります。2003年に「特定産業廃棄物に起因する支障の除去等に関する特別措置法(産廃特措法)」が制定されましたが、全国の18箇所において「産廃特措法に基づく特定支障除去等事業」、つまり大規模な不法投棄などによる環境への支障を取り除く事業が進められています。このうちの約半数について、当社が関連しています。
 また、最終処分場のトピックスとして、処分場の上を屋根で覆って、雨水などの自然の影響力を排除するタイプの処分場が多くなっています。栃木県宇都宮市の新最終処分場はそのタイプの1つで、当社が手がけたものです。

資源循環分野の今後の展開について教えて下さい。

リサイクルプラザ藤沢(グリーンパーク藤沢ホームページより)

 資源循環分野でやるべきことは、まだまだたくさんあります。
 例えば、廃棄物処理施設の事業では、循環型社会と低酸素社会の実現を目指しつつ、地域のエネルギー拠点や防災機能も兼ね備えた防災拠点となるような施設が望まれています。熱回収の高効率化や廃棄物発電の導入、バイオマス発電などを取り入れ、災害時にもエネルギーを供給でき、同時に避難所ともなりうるような施設です。そのような施設にすることで、住民の理解が得られやすい施設になっていくでしょう。単なる廃棄物処理施設の計画・設計だけでなく、ハード面、ソフト面にわたり、いろいろな付加価値を付けて行くことが必要だと考えています。当社が関わった施設のひとつに「リサイクルプラザ藤沢」があります。これは、藤沢市の循環型都市形成の拠点ともいえる施設です。
 また、今後は、発注者支援も業務のひとつになっています。事業計画の策定、設計監理、調達支援、施工監理、事業モニタリングなど、事業の進捗に応じた発注者の支援ができるようになりたいと思っています。
 一方、環境修復対策関連の事業では、不法投棄対策や汚染土壌対策だけでなく、自然由来の重金属汚染土対策についての対応が増えてくると考えています。

資源循環分野に携わる専門家として心にとめていることは何ですか。

 資源循環分野の仕事では、クライアントに「廃棄物」に関する専門家はほとんどいません。このため、我々の技術力に大きな期待が寄せられていると感じます。技術力が認められれば、クライアントから信頼されますので、そこが醍醐味でもあります。
 廃棄物処理施設の場合には、守るべき基準はありますが、住民の要望など、地域の事情はさまざまです。このため、ハード面の技術と住民の合意形成などのソフト面の技術を駆使して対応しなければなりません。そうした場面で我々が蓄積した技術力が活かされます。
 このため、心にとめているのは、常に技術で勝負できるように技術力を磨くこと、また相手のニーズを把握し、的確な提案ができるようにコミュニケーション能力を磨くこと、の2点です。
 廃棄物処理施設の事業は完成までの期間が長く、適地選定から調査、計画、設計、施工と工程を経ていくと、最低でも10年はかかります。これに施設の維持管理や更新・延命化などがあれば、さらに長いスパンでの事業となります。この長い期間、我々を信頼してもらって業務が継続できるよう、コンサルタントとして努力していきたいと思っています。

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