気候変動への取り組み

気候変動への取り組み(TCFD提言に基づく開示)

株式会社建設技術研究所グループ(以下「当社グループ」とします。)は、気候変動に対応し、インフラ整備を通じた「サステナビリティ」実現に向けて、2020年3月に「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」提言への賛同を表明し、2022年12月に「CTIグループ・サステナブルチャレンジ推進計画(2022年12月8日公表)」を定めました。当社グループは、地域や社会の構成員として自らの活動をカーボンニュートラルにすると同時に、当社グループの技術を駆使して、サステナブルな地域・社会構築に貢献してまいります

1. ガバナンス

  1. 経営会議と同レベルのサステナビリティ委員会を設置(委員長:代表取締役社長)し、経営管理上の課題の中にサステナビリティを組み込むことにより、ガバナンス体制を構築しました。サステナビリティ委員会では、温室効果ガス排出削減や持続可能な地域づくりに貢献する研究・技術開発、人材育成等の方針について審議し、重要事項については執行役員会及び取締役会を経て決定します。

    図 ガバナンス体制

  2. また地球温暖化に伴う気候変動の進展により、中長期的に当社グループの事業にさまざまなリスクと機会が生じることになります。当社グループの財務・戦略に与える影響を特定・評価し、経営方針に適切に反映するため、サステナビリティ委員会の下部組織であるグリーン投資戦略WGを中心に、情報の収集と分析、影響の評価等を実施したうえで、サステナビリティ委員会において当社グループの活動方針と活動計画を決定します。

2. 戦略

  1. 当社グループの事業への影響評価において想定したシナリオで中長期的に想定される主要なリスクと機会を定性的に評価した結果は次のとおりです。リスクとして、移行リスクは事業活動に伴う炭素税等による排出規制の強化及び社会の気候変動に対する意識の高まりに伴う当社グループの社会的責任、物理リスクは台風・豪雨等の自然災害の増加を特定しました。一方、機会として、気候変動影響の増加に伴う防災・減災等に係る社会インフラの計画・設計、再生可能エネルギー等の脱炭素型エネルギーへの転換等に係るニーズの増加を特定しました。
    当社グループの事業に与えるリスクと機会を定量的かつ精緻に評価するとともに、対応策を具体化するなど、内容の充実を図ります。

3. リスクマネジメント

  1. 地球温暖化に伴う気候変動の進展により、中長期的に当社グループの事業にさまざまなリスクと機会が生じることになります。
    リスク管理については、リスクマネジメント規程に基づき、企業経営に悪影響を与えるリスクを把握し、想定されるリスクが起こる前に管理するなど、当社グループのリスクマネジメントを適切に推進するためリスクマネジメント委員会を設置しています。
    サステナビリティ委員会及びリスクマネジメント委員会が連携し、気候変動に伴うリスクマネジメントに取組みます。

4. 指標と目標

  1. 当社グループは、自らの企業活動に伴う環境負荷を低減するとともに、公共事業を担う企業責任から、地域社会のサステナビリティを向上させることにより、関係するステークホルダーの信頼と共感を通じて企業価値の向上に努めることをめざしています。そのため「企業活動に伴う二酸化炭素の排出量を2030年までに実質ゼロ」とすることとしています。同時に「CTIグループサステナブル投資予算枠を設け、地域社会のサステナビリティを向上させる事業に投資するとともに、関連する研究開発や人材育成を推進」することとしています。

【参考】気候変動影響検討シナリオ

当社グループは気候変動影響の検討にあたり、IPCC(国連気候変動に関する政府間パネル)によるいわゆる1.5℃シナリオ(SSP1-1.9)と4℃シナリオ(SSP5-8.5)を採用しました。
1.5℃シナリオでは、地球の平均気温の変化を1.5℃未満に抑制するため、2050年カーボンニュートラルの実現をめざし、あらゆる政策手段が導入され、再生可能エネルギーなどの脱炭素型エネルギーへの転換やエネルギー効率の向上が促進される社会経済が実現することを想定しました。
一方、4℃シナリオでは、現在レベルの対策強度が採用されることで炭素税などの政策手段が導入されず、地球温暖化に伴う気候変動が進展し、洪水等の自然災害の増加などの気候変動適応に関する対策のニーズが増加する社会経済が実現することを想定しました。
これらのシナリオに基づき、当社グループの事業に及ぼすリスクと機会を分析し、当社グループにとって優先度の高いリスクと機会について開示しています。

(a) 1850~1900年を基準とした世界平均気温の変化

出典:気象庁「IPCC AR6 WG1報告書 政策決定者向け要約(SPM)暫定訳」2022年12月