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CIMへの取り組みについて

建設通信新聞「CIMガイドライン 一般化への道筋」への寄稿

「CIM導入ガイドライン(案), H29.3」に準じてモデルを作成し、設計者のモデル作成方法の検証と、それを引き継ぐ施工者の利便性を検証する取り組みを行いました。
これを(株)大林組との共同企画として実施し、建設通信新聞へ寄稿連載(13回)しました。


寄稿3 指針は属性決めの参考書 設計と施工の会話から始まる

 CIMモデルを受け取り、最初に行うのは発注者との引き継ぎシートを使った確認である。座標系は合っているか、地形データは何を使っているのか、地質データはどう表現されているのかなど、最低限確認すべき内容が記載されたシートがあるので、受け取ったモデルをこのシートを使い確認しよう。何をどのタイミングで確認・実施・対応するかについては、トンネルガイドラインの4㌻図2に掲載されている。確認していただきたい。
 さて今回、受け取った設計段階で入力された属性情報を確認してあることに気が付いた。入力されている属性は、地質、拡張部、坑門工、本体の4部構成であったが、その1つである本体の属性を確認すると、トンネル本体を構成する覆工コンクリート、インバート、上半、下半の左右で入力されている以外に、排水や舗装などの属性が入っていた。
 設計で利用されるソフトウェアからトンネルを構成する要素ごとに属性がすべて出力されるであろうが、このような細かな属性情報をこの時点で受け取っても使う情報はごく一部である。設計からトンネル本体施工時に引き渡す属性として最低限重要なものはこれだということも、ガイドラインに記載すべきだと感じた。
 今回のトンネルガイドラインは、このような設計段階から施工に引き継ぐべき属性については細かな言及がされておらず、設計時に考える属性情報と、施工時にほしい属性情報の違いが現れた。下流工程でほしい属性が何かを考え、関係者が共通言語で「会話」し、具体的な内容を確認することで、CIMの属性は自ずと決まってくる。ガイドラインに書かれているから属性はこれを入れよう、という安易な決め方は、次のステップで利用する人の「ニーズ」を反映していない。
 施工段階でも同じことがいえる。
 施工におけるモデルの更新に関する考え方や登録する属性情報の事例がトンネルガイドラインでは多く出ているが、本体工事の竣工引き渡し後行われる舗装工事や設備工事ではどのような属性が役に立つのか、供用開始後の点検や維持管理で必要な属性は何かという議論はまだ不十分であることは否めない。
 求める「ニーズ」を多くの関係者が会話を通じて決めていくための参考書が「ガイドライン」であると思ってよいのではないだろうか。
 次回は維持管理段階で求めている属性は何かという「ニーズ」を設計側の視点から聞いてみよう。

杉浦伸哉
大林組 土木本部本部長室情報技術推進課長

ガイドラインには引き継ぐべき最低限の属性を記載すべき 



建設通信新聞 2017年9月29日掲載
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