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CIMへの取り組みについて

建設通信新聞「CIMガイドライン 一般化への道筋」への寄稿

「CIM導入ガイドライン(案), H29.3」に準じてモデルを作成し、設計者のモデル作成方法の検証と、それを引き継ぐ施工者の利便性を検証する取り組みを行いました。
これを(株)大林組との共同企画として実施し、建設通信新聞へ寄稿連載(13回)しました。


寄稿5 目的の明確化で手段決まる 発注者ともCIMで会話を

 維持管理→施工→設計→調査。この流れはCIMの属性を考える上で重要なポイントである。前回コンサルタントから、維持管理目線で、「トンネル本体では、掘削工法や打設手順、補助工法の種類と範囲がほしい。特にコンクリート打ち継ぎ目は変状が生じやすいが、インバートや道路空間内の内装版が配置されているところなど点検時に確認できない個所がある。そのため点検精度の向上に打設手順は必要な情報である」とのコメントをもらった。
 これを受け、ゼネコンではその情報を施工情報としてどう表現するか、施工サイクルの中の一環としてどのようなタイミングで属性をいれていくか、さらに上記の情報は記録として残しておくべき情報でもあるため、できるだけ簡便に登録する方法は何かなど目的が明確になれば、そのための手段はいくらでも考えることができる。
 CIMガイドラインでは、この手段を多く列挙し、多くの手段からそのプロジェクトに合致した方法をその情報を利用する次工程の主人公が主体となって考えてもらうことを期待しているのである。手段と目的が逆にならにように常に「誰が何をしたいのか」を意識し、CIMガイドラインの「行間」に期待されているこの考え方を感じ取ってほしい。たかがガイドライン、されどガイドラインなのである。
 ところで、ゼネコンが本体工事を終えると次に待ち構えるのは設備工事である。設備工事で使ってもらうためにはどのような情報を残しておくべきかということも今回考えてみた。トンネル内に配置した箱抜きをモデリングし、そのモデルに設備図面などを属性として登録してみた。
 ただし、この情報も設備工事では使える情報なのか、いらない情報なのか、などという会話はゼネコンもまだできていない。当然である。設備工事は別発注が基本であり、設備工事を受注した会社は発注者と会話を行うのである。会話の中でもCIMを活用してほしい。
 CIMガイドラインとは、次の主人公に繋げるための羅針盤である。誰が誰にどのように情報を繋げていくのか、事例を見せながら伝えていく設計図である。
 その意識をもってぜひこのガイドラインを読み解いてほしい。「読み解く=手順」ではなく、「読み解く=目的を理解して活用する」ということではないだろうか。
 この考えをもって、次からは橋梁ガイドラインの解説を行っていきたい。橋梁では設計者はどのようなモデルと属性を施工が必要だと思っているのか、楽しみである。

杉浦伸哉
大林組 土木本部本部長室情報技術推進課長

トンネル内に配置した箱抜きのモデリング



建設通信新聞 2017年10月13日掲載
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