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CIMへの取り組みについて

建設通信新聞「CIMガイドライン 一般化への道筋」への寄稿

「CIM導入ガイドライン(案), H29.3」に準じてモデルを作成し、設計者のモデル作成方法の検証と、それを引き継ぐ施工者の利便性を検証する取り組みを行いました。
これを(株)大林組との共同企画として実施し、建設通信新聞へ寄稿連載(13回)しました。


寄稿7 設計思想は施工検討の手がかり 橋梁モデルに地層の一体化提供を

 設計思想をCIMでどのように表現するかという観点で、属性を上手に利用した内容を設計側から受け取り、なるほど、と感心した。設計思想を施工側に伝える手段として、CIMを活用する発想である。このような発想は今回のCIMガイドライン橋梁編のどこにも書かれていない。そう、これこそまさにCIMガイドラインの本来の使い道だと感じた。
 CIMガイドラインの橋梁編を見ていただきたい。
 66ページに書かれているような鉄筋配置と橋梁付属物との取合いを考える意味での利用は施工段階においても同じことをおこなっているため、設計段階での検討が重要である。このような施工での不具合を事前に検討し、不具合が生じないようにする取り組みはCIMで行う重要なことである。
 しかし、59ページに書かれているような設計段階の施工を意識したコンクリート打設ロット割りが、施工を意識してできているかといわれれば無理であろう。これは施工段階で施工会社が施工計画として具体的な条件を元に考える内容であり、これがあるからといってこの通り施工できるわけではない。
 ガイドラインには、このような各プレーヤが実施している事例が掲載されているが、施工会社が施工における詳細検討を行う際に重要な「設計思想」を属性という形でわたす事例は書かれていない。
 これこそ、CIMガイドラインを「誰が」「何を」「何時」「どんなふうに」使うのかということを考え活用した使い方であると思った。
 橋梁は3次元モデルにすると細部まで表現できるため、発注者を始め、設計者、施工者のプロジェクトに関わる多くの人が、分かりやすいという概念が先行して、試行工事などでも多くの事例が行われているが、コンサルからモデルを作成して施工で利用した事例は未だ1つもない。
 その意味で今回のようにコンサルタントがどんなイメージをもって橋梁をモデル化し、属性を付けるのかという取り組みはとても興味があった。
 設計思想は施工側がほしい属性情報の1つであることは明記したが、やはり施工者としては、橋梁下部工の地層モデルもほしい。地層モデルは施工段階で施工計画を詳細に検討していくためには重要な情報である。地層も橋梁モデルと一体で表現し、施工における効率化を図るために、設計時に把握している地質情報を元に作成して、今後は提供いただきたい。
 さて、次回から河川編が始まる。CIMガイドラインでコンサルがどのように考え、CIMデータを作成してきてくれるか、楽しみに待つことにしよう。

杉浦伸哉
大林組 土木本部本部長室情報技術推進課長

施工会社が施工で活用する打設ブロックは施工時に決まる



建設通信新聞 2017年10月27日掲載
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