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CIMへの取り組みについて

建設通信新聞「CIMガイドライン 一般化への道筋」への寄稿

「CIM導入ガイドライン(案), H29.3」に準じてモデルを作成し、設計者のモデル作成方法の検証と、それを引き継ぐ施工者の利便性を検証する取り組みを行いました。
これを(株)大林組との共同企画として実施し、建設通信新聞へ寄稿連載(13回)しました。


寄稿8 出来形共有の強力なツール 地盤情報の把握にも有効

 今回は河川編およびダム編のそれぞれのモデル化に対して特徴的な点を取り上げる。
 河川編には河川堤防と樋門・樋管の2工種が示されているが、今回は河川堤防の護岸工を対象とした。河川堤防は線状構造物であることから一般部に対しては3次元の効果が得にくい。そのため既設堤防と計画堤防の擦り付け部に着目した。やはり3次元化のメリットは平面・縦断・横断図や展開図から各自が頭の中で構築していた出来形を、関係者が明確に共有できる点であり、施工段階でも最も活用効果があるものと想定する。
 ただし、出来形を想定しながらモデル化する必要があることから、その分、設計に携わっている技術者がモデル化する必要があると感じた。図面から3次元モデルを起こすと、多少なりともずれが生じる。このとき、何を優先してモデル化するべきかを決める必要があるからだ。そのため、属性情報は、このような擦付け部において優先すべき条件(今回は基礎の高さ・位置)と考えている。ただ、そのためにも技術者が簡易にモデル化できるようなツールが必要というのは、いつも感じるところである。
 一方、ダムは調査から竣工までの期間が長く、他の工種よりも設計者と施工者が共有すべき情報が多い。特に、地盤情報は事業の進捗に応じて情報量が増加し、その情報に応じて設計変更や施工対応が行われることがダム工事の大きな特徴と言える。
 このような地盤の情報を3次元的に把握するCIMモデルが対策工を考える上でも有効であり、設計・施工の両者が共有すべき情報と考えた。実際に、施工段階でダム堤体の着岩部が露出した段階で、コンサルタントが現地で岩の状況を確認し、設計段階からの修正の必要性や、場合によっては対策工について発注者を交えて協議を行っている。基礎処理工で共有すべき情報としては岩盤の透水性を支配する割れ目などの想定情報と、これらをグラウトで止水する際に得られるルジオン値や注入量が挙げられる。
 設計段階で設定した止水性が確保できたか、確保するためにはどうするかを設計者・施工者が検証する上で、関係者間で情報を共有できるCIMモデルは強力なツールになる。CIMの効果はこういう協働において最も発揮されるのであろう。

藤田 玲
建設技術研究所 技術本部新技術推進部主幹

河川の属性情報では基礎の高さ・位置が重要

地盤の対策工検討も3次元なら分かりやすい



建設通信新聞 2017年11月10日掲載
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