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CIMへの取り組みについて

建設通信新聞「CIMガイドライン 一般化への道筋」への寄稿

「CIM導入ガイドライン(案), H29.3」に準じてモデルを作成し、設計者のモデル作成方法の検証と、それを引き継ぐ施工者の利便性を検証する取り組みを行いました。
これを(株)大林組との共同企画として実施し、建設通信新聞へ寄稿連載(13回)しました。


寄稿11 計測する「目的」の明確化必要 前提は施工で何がしたいかが重要

 今回は共通編の中で、施工者が一番気になる地形や地質・土質の部分について書いてみようと思う。
 施工段階で重要なポイントは地形である。
 計画時点の地形測量は調査時点での地形が反映されており、調査から計画・施工に至るまでの期間が長期間であれば施工段階で地形測量を再度行う必要がある。ガイドライン共通編には施工で実施するこの起工測量に使える測量技術が多く掲載されている。
 車載写真レーザ測量、空中写真測量、航空レーザ測量、地上レーザ測量、UAVを活用した測量方法など多数掲載されているが、実際に起工測量で多く使われているのは、UAVを活用した写真測量と地上レーザ測量(3Dレーザ測量)ではないだろうか。
 写真測量は手軽に広範囲の写真を撮影することで、そこから写真解析を行い地形の3次元点群を作成することができる手軽な地形測量方法である。同様に地上レーザ測量では写真測量ほど広範囲を短時間で計測することはできないものの、計測が写真測量よりも高精度で行えることから、時間よりも精度を重視する場合において地上レーザ測量を行う事例が多く報告されている。逆もまたしかりで、求める精度を担保できるのであれば、地上レーザ測量ではなく、UAVを活用した写真解析を行う事例も多い。
 測量方法1つとっても、「何を」「どこまで」実施する測量を行いたいのかという観点でツールも手法も変わってくる。
 しかしながら、共通編のガイドラインはこのような「目的」に応じたツールの「活用方法」は書いていない。あくまでもツールの技術紹介が主であり、計測する「目的」が明確でなければ、共通編を読みこなし、使うツールを選択することはできないであろう。地質・土質の表現も同じである。
 施工で何をしたいか、何を求めているか、が重要であり、それをどのような表現方法を使い、施工で活用するのかが重要である。
 調査者と設計者と施工者が発注者も一緒にプロジェクトを進めるために関係者全員が1つのモデルを信頼し使うことが重要であると、2013年に訪問したイリノイ大学のJan Reinhardt氏が言われていた。
 日本では一般的に、調査・計画・設計・施工・メンテナンスという流れですべてのプロジェクトに関係者全員が参加して1つのモデルを信頼し使うことは制度的にも難しいが、このガイドラインがその橋渡しとして機能することが、CIM一般化への大きな道筋だと思う。
 今回のガイドラインは、発注者の力量が問われるガイドラインなのかもしれない。

杉浦伸哉
大林組 土木本部本部長室情報技術推進課長

目的によって手法は変わる



建設通信新聞 2017年12月1日掲載
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