トラプロ®データ(トラックプローブデータ)は、デジタルタコグラフ等の運行管理車載端末を供給する企業を通じて取得したものであり、貨物車の走行状況を把握することができるデータです。
貨物車に搭載されたGPS付き車載端末から携帯電話通信網を介し、時刻や緯度経度等の走行データがデータセンターに蓄積されます。このプローブデータ(走行軌跡情報)は、通常、荷主・運送会社において貨物車の運行管理に使用されますが、その一部のデータを抽出し、秘匿化処理を行うことで、交通解析に使用可能なデータとして取り扱っています。
プローブデータは、車載端末が稼働しているすべての時間において、一定の頻度および急ブレーキ等の特殊事象が発生した際に取得されるため、貨物車の稼働状況や交通状況を継続的かつ面的に把握することができます。そのため目的に応じたさまざまな交通解析が可能となり、調査コストの圧縮、情報の充実化につながるなど多くのメリットが期待できます。
トラプロ®データは日本全国をカバーしています。約1万台の貨物車から、1年間で全国約6億キロの走行データを蓄積することができています。
この膨大な走行データをもとに、交通解析に適した信用性の高いデータに加工をして提供しております。
トラプロ®データ販売/分析サービスについて、動画でご紹介しております。
近年、ICT技術の進化に伴い、自動車の緯度経度データをはじめとしたビッグデータの活用が始まっています。本サービスは、貨物車向け運行管理車載端末及び運行管理支援サービスを展開する企業との連携により、サーバーに蓄積された全国約1万台の貨物車の位置情報(緯度経度情報)等のデータを分析ニーズに応じた形に加工して提供するほか、お客様のニーズに応じて分析サービスを行うものです。
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トラプロ®データは、全国の貨物車から日々走行データを取得しています。このデータをもとに、本サービスでは、以下に示す5種類のデータをご提供/分析いたします。
データ種別は、標準パッケージ(下表の①~④)とオプション(下表の⑤)にてご用意しておりますが、特定のデータだけが必要な場合はデータの種類を限定した簡易パッケージもご利用可能です。
まずはお客さまが直面する課題についてお気軽にご相談ください。ご相談いただいた内容と取得データをもとに、専門の交通コンサルタントが適切なデータ活用方法をご提案いたします。
データ種別 | データの概要 | 活用用途の例 |
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①リンク列データ | 貨物車1台ごと、トリップごとの通過リンク情報を束ねたデータ | 貨物車の走行実態分析、新設道路等の整備効果分析(経路転換等)・・・等 |
②リンク集計データ | ①のリンク列データを道路リンクごとに集計(15分ごとの平均旅行速度およびサンプル数)したデータ | 渋滞・交通円滑化分析(渋滞損失時間等)、道路のサービス水準分析・・・等 |
③ODデータ | ①のリンク列データをもとに、起点・終点の組み合わせ(OD)をエリア単位※1で集計したデータ | 貨物車のOD特性の把握、各種センサス調査(道路交通センサス・物流センサス等)の補完・・・等 |
④急加速・急減速データ | 貨物車が急加速/急減速した地点(緯度経度)とその強度データ | ヒヤリハット多発地点の抽出、交通安全対策の効果評価(事前事後分析)・・・等 |
⑤CANデータ(オプション) | 燃料消費量など、車両の状態をモニタリングしたデータ | 都市圏における燃料消費量・環境質の排出量の算定、道路整備や渋滞緩和による改善量の分析・・・等 |
※1:おもに市町村単位(都市部では交通状況に応じて細分化)で分割したエリア
本サービスで取り扱うデータは、全国から収集した年間約6億キロにもおよぶ走行データを過去1秒も停止することなく安定的に蓄積してきたデータです。
業種も一般貨物運送をはじめとし、流通小売りやコンビニ、エネルギー輸送など多種多様です。
また一口に貨物車といっても、小型車から大型車まで目的に応じて車種別の動向を把握することも可能です。
各データの特徴・メリットは以下の通りです。(⑤「CANデータの取扱い」はオプション)
データ種別 | 概要 |
---|---|
①広く全国をカバー | 全国約1万台(タコグラフ装着義務対象車両の約1%に相当)のデータを収録しており、日本全国の道路をカバー。 |
②安定的なデータ取得 | 過去10年以上、24時間365日、1秒も停止しておらず(東日本大震災時にも途切れることなくデータを蓄積)、過去の大災害時の交通動態に基づく防災計画立案等の用途にも活用可能。 |
③多様な業種をカバー | 各分野から20社以上のデータで構成され、業種も万遍なく含まれたデータであることから、偏りのない分析が可能。 |
④多様な車種構成 | 車両構成は、貨物車のうち、小型車から大型車まで幅広く収集(小型:~3t、中型:3t~8t、大型:10t~)。 |
⑤CANデータの取扱い | 位置情報だけでなく、車両の状態をモニタリングしたデータ(CANデータ)も提供しており、これまで試算の域を出なかった燃料消費(燃費)に関する分析も実証ベースで可能(商用データとしては全国唯一※2)。また、環境質(CO2排出量等)についても従来よりも精度良く分析可能。 |
※2:平成30年11月現在(当社調べ)
本サービスで使用しているトラプロ®データは、個別の運送事業者が特定できないように秘匿化の加工を施しています。さらに、外部提供について同意を得た企業様の情報のみで構成されています。このため、道路整備の促進・渋滞改善・交通安全の向上に資する用途においては、安心してデータをご活用いただけます※3。
※3:データの提供に際し、利用目的等について使用許諾契約を締結させていただきます。また、分析結果を公開される際は、事前に弊社にて内容確認をさせていただきます。
※4:特定の企業名を記号化したり、出発・到着地近傍のデータを消去する処理
※5:個々の車両の動きが分からないようにデータを集計する処理
当社では貨物車の走行履歴データを、主に交通解析に適したデータに加工し提供するサービス「トラプロ®データ販売/分析サービス」を展開しております。
本サービスでは、5種類のデータを対象としたデータ販売、そしてそのあらゆるデータをもとにした専門コンサルタントによる分析サービスを提供いたします。
メニューの内容は以下をご覧ください。
サービスメニュー | 概要 |
---|---|
データ販売 | ・解決すべき課題や分析のニーズにあわせて、以下のデータをお選びいただけます。 ①リンク列データ(経路がわかる) 貨物⾞1台ごとの⾛⾏経路がわかる基本データであり、貨物⾞の走行履歴や動向の把握、各分析に活⽤できます。(リンクとは、交差点から交差点までの道路区間のことを指します) ②リンク集計データ(速度がわかる) リンク列データを道路リンクごとに15分間隔で平均所要時間や情報件数を集計した、速度に関するデータ。渋滞箇所の抽出や損失時間など、道路のサービス水準やパフォーマンス面に関する分析等に活用できます。 ③ODデータ(出発⽬的地がわかる) 貨物⾞が移動する起点(origin)から終点(destination)を、エリアごと(基本的には市区町村で分割)に集計したデータ。貨物⾞のOD特性を把握し、道路交通センサス(全国の道路交通に関する国⼟交通省による調査)等の各種センサス調査の補完として活用できます。 ④急加速・急減速データ(危険箇所がわかる) ⾛⾏中の貨物⾞が急加速・急減速した地点を抽出したデータ。ヒヤリハット多発地点など、危険箇所の分析を可能とし、安全対策につながります。 ⑤CANデータ(燃費が分かる) ⾞両の状態を監視・観測することで、燃料消費や環境⾯での分析に活⽤できます。こちらのデータはオプションになります。 |
データ集計/分析 (コンサルティング) |
・お客様の課題に応じて、道路交通分野の専門コンサルタントが、トラプロ®データやその他の情報を集計・分析し、効果的・効率的な課題解決策をご提案いたします。 |
必要なエリア、期間、データ種別に応じて、別途見積とさせていただきます。
一部のデータだけが必要なお客様に向けた簡易パッケージもご用意しております。お客様の課題に合ったプランをご提案いたしますので、まずは一度ご相談ください。
当社では道路交通分野の専門コンサルタントが、トラプロ®データやその他の情報を用いてお客様の課題に応じた解決策をご提案しています。
トラプロ®データを集計することで、従来は別途調査などをしていた以下のような事象について、面的かつ継続的にデータを取得することができます。これにより、交通状況の把握・分析を効率化・高度化することができます。
集計した走行データを目的に応じて分析することで、道路整備による貨物車の走行状況変化や災害・異常気象時に起きる貨物車の動向などを明らかにできます。また、ヒヤリハット多発箇所を抽出することで交通安全対策としても活用できます。
本サービスでは以下に示すようなメニュー(例)をご提供しています。
メニュー例の中から一部抜粋して分析例をご紹介いたします。
目的地までのルートを選択する際、所要時間や料金(高速道路/一般道路)などいくつかの要素から最適なルートを選択します。その要素のひとつとして「燃費(いかに燃料消費を抑えられるか)」も重要なポイントであるといえます。
この分析は、都市圏を対象とした燃料消費やCO2などの環境負荷、道路整備による燃費や環境質の改善状況を明らかにするためにご活用いただけます。
これまで、燃料消費に関するデータ収集や分析は負担が大きいため、実施が難しい傾向にありましたが、このデータを用いることで実施が可能となりました。
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渋滞状況や燃料消費などを考慮して拠点箇所の選定をするための分析です。
配送先に向かう際は、いかに早く効率よく到着できるかが重要です。そのためには道路状況から所要時間等を算定し、どの拠点を使用するのが最適か見極める必要があります。
当社では、渋滞箇所を考慮したうえで燃料消費などのコストも同時に算出し、最適な拠点・ルート選定のご提案させていただきます。
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トラプロ®データ販売/分析サービスに関するお問い合わせは、以下までお願いいたします。
〒103-8430
東京都中央区日本橋浜町3-21-1 日本橋浜町Fタワー
株式会社建設技術研究所
東京本社交通システム部
E-mail:trupro[at]ctie.co.jp
※[at]を@に置き換えてください。