BIM/CIMへの取り組み

取り組み事例

国土交通省では、BIM/CIM (Building/Construction Information Modeling/Management) の取り組みを進めてきており、当社は国や地方自治体などの業務で、BIM/CIMを活用した業務に取り組んでいます。ここでは、代表的な取り組みについて紹介します。

放流設備の詳細構造検討に活用した事例

業務名:令和元年度新丸山ダム放流設備実施設計業務
国土交通省が推進するBIM/CIM 活用試行業務の一つとして、放流設備とその周辺土木構造物のCIMモデルを作成し、詳細設計段階でCIMモデルを作成することによる効果の検証を行いました。 CIMモデルを作成することで、放流ゲートのような可動する設備を任意の位置に動かし、干渉の有無の確認を確認することで照査の軽減に効果があった他、国内最大級の1250t クレーンを用いた下段放流管の据付施工ステップモデルを作成し、クレーンの設置位置やケーブルクレーン、周辺土木構造物との離隔をさまざまな視点から確認することが可能である点で効果が得られました。

左:常用洪水吐き主ゲート(左)と非常用洪水吐きゲート(右)  右:下段放流管据付施工

左:上段常用放流設備  右:放流設備全体 

橋梁架替設計に活用した事例

業務名:【平成28年度CIM試行業務】新野積橋詳細設計業務
大河津分水路(おおこうづぶんすいろ)改修事業に伴う橋梁詳細設計にCIMを活用し、わかりやすい関係機関協議資料、および橋梁工事を細分化し時間軸を付与した施工ステップ図を作成し、複雑な縦横の鉄筋配置の交錯を未然に防止するために、3次元モデルを活用しました。また、本業務は国土交通省北陸地方整備局信濃川河川事務所のCIM試行業務であり、以下の項目についてその効果を確認しました。
  1. 関係機関協議資料に3次元鳥瞰図などを活用し、合意形成の効率化に役立ちました。
  2. 景観検討では、完成後の状態を利用者目線で視覚的に確認することができました。
  3. 上部工の設計では、鉄筋、PC鋼材が交錯する中間支点部を3次元で部分的にモデル化し、相互干渉状況を確認し成果に反映させました。

施工ステップの検討

完成時のモデル

鉄筋・PC 鋼材や仮設架台との干渉チェックイメージ

3次元モデルからの模型を作成して活用した例

業務名:非公開
ここに示した写真は、自動車道のジャンクションについて、広報用資料として、複雑な形状を把握しやすくするための3次元模型を作製したものです。CADで3次元モデルを作製し、これを元にして3Dプリンタで出力することで模型を作製しました。この模型により、ジャンクションの形状が立体的に把握できるようになり、打ち合わせや説明が非常にわかりやすくなるという効果がありました。

ジャンクションの3次元模型の写真

グループ会社での取り組み例

当社のグループ会社であるWaterman Group Plc (本社:ロンドン)でも、2000年頃からBIMを活用し、3次元モデルの作製と可視化を実施してきています。過去のプロジェクトで作製したモデル例を示します。

建設通信新聞「CIMガイドライン 一般化への道筋」への寄稿

「CIM導入ガイドライン(案), H29.3」に準じてモデルを作成し、設計者のモデル作成方法の検証と、それを引き継ぐ施工者の利便性を検証する取り組みを行いました。これを(株)大林組との共同企画として実施し、建設通信新聞へ寄稿連載(13回)しました。