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2022.07.19

防災行動支援システムを活用した王寺町での災害対応訓練の実施

技術・研究

 株式会社建設技術研究所(本社:東京都中央区、代表取締役社長:中村哲己)は、王寺町(町長:平井康之)と締結した「防災力向上に向けた研究開発に係る連携協定」に基づき、災害対応に関する研究開発を共同で進めています。この度、研究開発の成果である「防災行動支援システム」を活用した防災訓練を行う運びとなりましたので、お知らせします。
 王寺町は、町内を流れる大和川や葛下川によりたびたび浸水被害に見舞われており、想定最大規模の洪水が発生した場合には、市街地のほぼ全域の浸水が想定されています。研究開発の成果である防災行動支援システムは、災害発生時に円滑に対応すべく、災害発生時の気象情報や対応状況の効率的な集約・確認を実現しました。本訓練を通し、王寺町の災害対応能力向上を図るとともに、防災行動支援システムの有効性を実証します。


1.訓練の実施経緯
 今回訓練を実施する王寺町は、1982年(昭和57年)8月に発生した水害で全壊家屋66戸を含む1,717戸の浸水被害に見舞われ、それ以降もたびたび浸水被害に見舞われています。王寺町では、これまでの被災経験から、避難所機能を併せ持った防災拠点施設を整備し、スマートフォンやパソコンから容易に閲覧できる「Web版防災ハザードマップ」を公開するなど、ハード・ソフト両面から防災対策を推進しています。
 しかし、今後さらに災害の激甚化や頻発化が危惧され、町の災害時対応は増大する可能性があることから、いかに職員が迅速・的確に対応できるかが課題となっています。
 王寺町と当社は、お互いが保有する情報やノウハウを活用することで王寺町の防災力を向上させることが可能であるとの認識で一致したことから、2020年(令和2年)9月に災害対応システムの開発研究に関する連携協定を締結しました。
 本訓練は、王寺町の災害対応能力の向上と合わせ研究開発を行い実用化に至った「防災行動支援システム」の実証を行うとともに、更なる改良に向けたデータや情報の収集を目的として実施するものです。

2.防災行動支援システムの概要
 本訓練で使用する防災行動支援システムは、今回想定する水害をはじめ地震や津波を含む各種災害に関するBCP等の防災関連計画を集約管理し、リアルタイムで変化する災害状況に合わせて行動項目を表示するものです。また、公表されている各種気象状況や自治体内の被害状況の集約表示と合わせることで自治体災害対策本部での判断を支援します。
 王寺町で懸念されるような水害は、リアルタイムで状況が変化するため多くの情報が錯綜し混乱を招く恐れがあります。防災行動支援システムでは、自動収集した情報に基づき次に実施すべき行動を提示することで、自治体職員の適切かつ円滑な対応を支援します。

3.訓練の概要
訓練の概要は以下のとおりです。

日 時 2022年725日(月) 午後230分から午後430分まで
目 的 大雨による河川氾濫の懸念が生じた際に水防活動や避難指示、避難所の開設などの措置を迅速かつ的確に実施できるよう、防災行動支援システムを活用した模擬訓練を実施。
会 場 王寺町やわらぎ会館 3階研修室奈良県北葛城郡王寺町王寺2-1-18
参加者 2団体(王寺町、(株)建設技術研究所) 30名程度
訓練内容 ・7月30日(土)夜から31日(日)朝にかけて奈良県で発生した線状降水帯による大雨に伴い、大和川王寺地点水位が最大6.5mまで上昇。
・地域防災計画などに従い、大和川の氾濫や内水氾濫などに備えた水防活動や避難所開設を実施。
取材について カメラなどによる撮影は随時可能です。撮影位置等につきましては、係員の指示に従ってください。また、進行の都合上、訓練中の参加者への取材はご遠慮願います。
その他 災害や事故などにより、訓練が中止となる場合があります。訓練の実施可否は、当日の午前9時以降に王寺町防災統括室へお問い合わせください。
■王寺町防災統括室TEL:0745-73-2001