2022.08.10
技術・研究
株式会社建設技術研究所(本社:東京都中央区、代表取締役社長:中村哲己)は、王寺町(町長:平井康之)と共同で開発した「防災行動支援システム」を活用した災害対応訓練を7月25日に実施しましたのでお知らせします。
今月3日からの大雨による河川氾濫や土砂災害でも見られるように、近年自治体や企業が対応を必要とする自然災害が激甚化・頻発化しています。限られた人員で対応するためには、気象情報や対応状況を集約管理するシステムによる職員のサポートが必要と考えられます。
当社と王寺町が共同で研究開発を進める「防災行動支援システム」は、水害をはじめ地震や津波を含む各種災害に関するBCPなどの防災関連計画を集約管理し、リアルタイムで変化する災害状況に合わせて行動項目を表示するシステムです。公表されている各種気象状況や自治体内の被害状況を集約しモニターなどに表示することで、災害対策本部の判断を支援し職員の適切かつ円滑な対応を実現します。
今回、王寺町の災害対応能力の向上並びに実用化に至った「防災行動支援システム」の実証を目的として、王寺町職員を対象とした災害対応訓練を実施しましたので報告します。
1.災害対応訓練の概要
実施した訓練の概要は以下のとおりです。
日時 | 2022年7月25日(月) 午後2時30分から午後4時30分まで |
目的 | 大雨による河川氾濫の懸念が生じた際に水防活動や避難指示、避難所の開設などの措置を迅速かつ的確に実施できるよう、防災行動支援システムを活用した模擬訓練を実施。 |
訓練内容等 | ・7月30日(土)夜から31日(日)朝にかけて奈良県で発生した線状降水帯による大雨に伴い、大和川王寺地点水位が最大6.5mまで上昇。 ・地域防災計画などに従い、大和川の氾濫や内水氾濫などに備えた水防活動や避難所開設を実施。 |
会場 | 王寺町やわらぎ会館 3階研修室 |
参加者 | 35名(王寺町、王寺町消防団、(株)建設技術研究所) |
2.災害対応訓練の実施結果
訓練の実施結果は以下のとおりです。
訓練実施の様子(後方モニターは防災行動支援システムの気象・災害情報画面)
・気象庁の予報確認から災害対策本部の運営まで、町の災害対応における一連の行動を確認しました。
・災害対策本部に設置されたシステムにより、気象状況の確認や写真による現場確認結果の共有、避難所開設状況の把握を実施しました。
・参加者へのアンケートを実施したところ、防災行動支援システムにより災害対策本部での判断や指示が的確に行えるとの意見をいただき、システムの有効性を確認しました。
・参加者へのアンケートからは、システムの操作研修等を通じてさらに防災力を向上したいとの声を多くいただきました。
3.今後の取り組み方針
本訓練で参加者からいただいたご意見を踏まえ、防災行動支援システムの改良を実施します。また、王寺町でのシステムの試験運用による課題抽出や対応を通して、王寺町の更なる防災力向上を進めて参ります。