2024.06.24
技術・研究
当社と千葉県柏市が協力して開発した「管路内水位観測システム」が柏市オフィシャルウェブサイトに一般公開されました(公開日6月4日)。このシステムを活用して雨水管・河川などの水位情報や降雨情報を市民の皆様へリアルタイムに提供することにより、早期の適切な避難行動を支援します。
1. 背景
近年、日本全国でゲリラ豪雨など突然の激しい雨が増加し、都市部での内水氾濫とそれに伴う浸水被害が頻発しています。千葉県柏市でも、建物の浸水や道路の冠水など、市民の日常生活や経済活動に深刻な影響を与える被害が発生しています。
これまで河川の水位情報は国土交通省や千葉県から提供されてきていますが、都市部の浸水リスク情報のリアルタイムでの提供は困難な状況にありました。
2. 技術の特徴と効果
当社は、千葉県柏市上下水道局協力のもと、市内で過去に浸水被害を受けた地点のマンホールにリアルタイム水位観測計*を27箇所設置し、当社の汎用クラウド流域防災情報OS「RisKma」を活用して得られるデータと気象庁の降雨データ、国土交通省および千葉県の河川観測データを組み合わせることで、豪雨予測時にリアルタイムで最新の浸水情報を入手できる「管路内水位観測システム」を開発しました。これにより指定緊急避難場所への適切な避難行動や自家用車の安全な高地への移動などの初期対応が可能になります。
柏市管路内水位観測システム:https://kashiwa.riskma.jp/
3. 今後の展望
千葉県柏市におけるこの新しい取り組みは、雨水管の水位情報を公開するという面で、画期的なステップです。また、これは千葉県内で初めての事例となります。今後の展開として、関係機関と連携し、道路冠水や水路からの溢水が過去にあった地点に水位計設置などを行う実証実験が計画されています。
当社は、市民の安全と財産を守るために、この技術の普及と改善に努めてまいります。さらに、国内外の多くの自治体や企業と連携し、災害予測・防災システムの普及に努めてまいります。
*リアルタイム水位観測計とは
当社と日本インフラ計測株式会社(本社:東京都豊島区、代表取締役社長:樋口 哲也)にて共同開発したものであり、特許を保有する日本インフラ計測株式会社が製造するリアルタイム水位観測計の独占的販売権を当社が保有しています。
リアルタイム水位観測計の概要