2025.04.14
技術・研究
CTIグループは中長期ビジョン「SPRONG 2030」で掲げた、ありたい姿「グローバルインフラソリューショングループ」として成長することを目指しています。そのためにはこれまでの生産システムにおける課題を解決し、さらに進化させる必要があることから、生産性向上、品質・安全確保に向けた技術開発への投資を積極的に行い、DX推進に取り組んでいます。
■業務支援システム:競争力や生産効率向上、品質確保に資する当社独自の生成AIを活用したシステム■
社内の技術情報に対する知見を持つ生成AIの開発及び、社内文章を基に回答するAIチャットボット等の業務支援システムを構築しました。さらに、これを基にしたwebアプリを開発し、社内展開しています。これにより、競争力や生産効率の向上、品質確保をさらに進めていきます。
1.背景
生成AIは世界中の様々な業界に影響を与え、多様なビジネス創出やデジタルトランスフォーメーション(DX)で活用されています。しかし、IT・デジタルの知識や人材の不足、機密情報や個人情報の漏洩などの課題から、生成AIの導入に躊躇する企業も多く存在します。このような状況の下、当社では、独自LLMを開発してこれらの課題を解決し、競争力、品質、生産効率、顧客満足度の向上を目指して、CTI版生成AIを開発しました。
2.開発した技術の特徴、詳細
当社で開発した生成AIシステムは、当社が保有する情報や文章ファイルに対する質問回答が可能となります。このシステムにより、当社独自のデータを一元管理することで、社内の様々な情報を効率的に活用することができます。
本システムでは、使用用途に応じた様々なLLM(大規模言語モデル)を選択する機能や、社内で保有する技術情報を学習した独自開発のLLMも実装しており、専門性の高い正確な回答やアイデアを提供します。
システム構成は、図1に示すとおりです。建設分野に特化した情報で学習した生成AIと社内情報データベースを組み合わせることで、技術情報の参照元を明確にした回答を得ることができます。これにより、技術レポートの作成支援や、技術情報検索の高度化を実現します。
また、システム全体を当社で開発しているため、社内ニーズに応じたカスタマイズが可能であり、特定の要件や業務フローに適したシステムを構築することができます。
図1. 当社独自の生成AIシステム
3.今後の展望
今後、より多くのプロジェクトや業務生産効率化での活用を期待するとともに、社外へのサービス提供を含めた利用拡大を目指しています。
■自動チェックシステム:設計業務におけるミス軽減に資する成果を自動でチェックするシステム■
設計業務のミス防止策の一環として、図面や設計計算結果の整合性を自動的にチェックするシステムを開発しました。これまでは人が網羅的にエラーチェックの作業をしていましたが、自動化によってチェック漏れの懸念が軽減でき、設計成果のミス防止(品質確保)と照査技術者の負担を軽減します。
1.背景
公共工事における設計ミスは重大な問題です。また、設計成果である図面や設計計算結果の妥当性、および図面との整合性のチェック作業は項目や量が膨大で、人がチェックすると漏れが残る可能性があります。
このため、DXを活用し、人が極力介在しないことでミスを可能な限りなくして、高品質な設計成果を確保する必要があります。
2.開発した技術の特徴、詳細
3.今後の展望
現在は、樋門・橋梁・築堤護岸を対象構造物としていますが、今後はさらに対象とする構造物を拡大させる予定です。