2025.10.09
技術・研究
当社は、社内生産の効率化・高品質化およびBIM/CIMの推進に向け、「3次元設計支援システムver.1」を開発・運用してきました。
この度、新たな機能を追加したシステムver.2を開発し、社内運用を開始しました。これにより、さらなる設計の効率化・高度化が可能になります。
1.背景
令和5年度から、国土交通省が発注する土木業務・工事では、3次元データにより建設生産プロセスの効率化・高度化を図るため、BIM/CIMの使用が原則的に義務化されました。しかし、これまでの設計では2次元図面の完成後に3次元モデルを作成しているため、3次元データの活用による恩恵を十分に得られていないのが現状です。
この問題を解決するため、当社では橋梁の下部工(上部工からの荷重を基礎地盤に伝達する構造部分)や樋門・樋管(用排水等を目的として、堤防内を横断して埋設される構造物)の設計において,初期段階から3次元モデルを活用するシステムを開発しました。
このシステムは、2021年からver.1を社内運用し、設計の効率化と高品質化を実現しています(図-1)。
図-1 3次元モデルを活用した設計プロセス
今回リリースしたver.2において機能拡張したツールの特徴は以下のとおりです。
2.開発技術の特徴
このシステムは、3次元データを中心として、2次元図面や設計計算ソフトウェア、数量計算書を連携させながら、データを更新することができます(図-2)。
更新された3次元データはクラウドに保存され、新しい同種構造物の設計に活用することができます。これにより、効率的な設計が可能となります。

図-2 システム構成図
ver.2の機能拡張によって橋梁の一連の下部工(橋台・橋脚・基礎)及び樋門・樋管それぞれについて、構造物の寸法や形状データを3次元CADソフトウェアや構造計算ソフトと連携させて、3次元モデリング(構造・配筋)や、2次元の図面を作成する機能を実現しました(図-3)。
図-3 3次元モデルから2次元図面を自動切出し
このシステムは実際の業務で使用しており、3次元モデルを用いて構造物の配置イメージをわかりやすく表現したり、設計図の作業時間を大幅に削減(6割程度)したりする等の効果が得られています。
3.システム導入の効果及び今後の展望
システムの活用事例を蓄積することで、ナレッジの蓄積や技術者世代交代時の技術伝承、設計の効率化・高度化につながります。
今後は、対応できる構造物の種類を増やす等、システムの適用範囲を広げていく予定です。