2025.10.20
技術・研究
当社は、2019年に開発・事業化をスタートし、これまでに全国23の自治体で採用(うち、本格導入は15自治体)されているオンデマンドモビリティ予約配車システム「シティMobi」を自動運転システムと連携できるよう改修を行いました。
<実装した主な機能>
今後は、自動運転車の社会実装の動向も見据え、自動運転車によるオンデマンド交通システムの実現に向けた取り組みを加速してまいります。
1.シティMobiについて
「シティMobi」は、最新のAI技術に基づく最適化アルゴリズムを用いた「オンデマンド・乗合い方式」のモビリティサービスです。利用者のニーズに応じて、「だれもが」「どこでも自由に」移動することができるよう、デマンド交通や乗合いタクシーなどの、地域交通の効率的な運営・運行をサポートします。
これまで全国23の自治体におけるデマンド交通に採用(うち、本格運行は15自治体)されており、各地域の運行ニーズに合わせ、最適なカスタマイズを行うことで、地域の皆様が利用しやすいサービスを提供しています。
2.オンデマンド交通サービス自動運転化のニーズ増加
近年、オンデマンド交通においても、路線バスと同様、運転手の高齢化や人手不足が深刻な問題となっており、運行体制の確保が困難となる地域も出てきています。地域交通を維持していくため、今後、オンデマンド交通の自動運転化に対するニーズは高まっていくものと予想されます。
3.自動運転化に向けた開発
上記のニーズを踏まえ、「シティMobi」では自動運転化への対応として「自動運転システムとの連携」と「遠隔監視」の2つの機能を追加しました。
1)自動運転システムとの連携
「シティMobi」と「自動運転システム」との連携機能の開発に際し、実験用地内に総延長約550mのコースを設営し、実証実験を実施しました(図-1:自動運転システムとの連携実験の内容を参照)。 実証実験では、「シティMobi」と「自動運転システム」を連携させ、以下の検証を行いました 。
①利用者の予約を「シティMobi」の利用者アプリで受け付け、「シティMobi」のAIコアエンジンにより予約に応じた配車計画を自動生成するとともに、自動運転車に予約スケジュールを自動登録
②走行中、自動運転車の自車位置をリアルタイムで取得するとともに、利用者の乗車・降車や車両の移動中・待機などの、車両の状態を自動で認識し、「シティMobi」で表示

図-1 自動運転システムとの連携に関する実証実験の内容
※自動運転用ソフトウェア「Autoware」との接続モジュールはアイサンテクノロジー株式会社が開発。AutowareはThe Autoware Foundationの登録商標です。
2)遠隔監視機能の追加による運行管理・車内外状況把握の実現
自動運転車の遠隔監視に向けて、車両に取り付けたカメラの映像をリアルタイムで確認できる遠隔監視機能を構築しました(図-2:遠隔監視システムとシティMobiの連携イメージを参照)。「シティMobi」が提供しているオンデマンド交通の運行管理画面(オペレーションダッシュボード)からは、各号車の車載器カメラ映像を閲覧することができるため、運行管理と車内外の状況把握が一括で実施可能となります。
これにより、ドライバーが乗車せずとも、利用人数や停留所における乗降の状況を遠隔監視者がリアルタイムで把握しながら運行をすることができるようになります。

図-2 遠隔監視システムとシティMobiの連携イメージ
4.今後の展開
今回の機能開発並びに実証実験により、利用者の予約と連動した自動運転車の運行や車両の遠隔監視といった「シティMobi」の将来的な自動運転化に向けた基本的な機能を開発しました。
今後は、自動運転に不可欠な利用者の乗降や料金収受などの運行に関わる部分について、実証実験を重ねるとともに必要な機能開発を進めていくことで、自動運転車によるオンデマンド交通サービスの実現を目指します。