PROJECTプロジェクト紹介

日本最大級の淀川大堰の設計・施工計画

所在地: 淀川水系淀川(大阪府大阪市)
期 間: 1971年~1980年
発注者: 建設省近畿地方建設局淀川工事事務所 (現・国土交通省近畿地方整備局淀川河川事務所)

大阪市淀川大堰プロジェクト

琵琶湖から大阪湾に注ぐ唯一の河川である淀川。その最下流に位置する淀川大堰が建設されたのは1983年のことです。大阪の急激な人口増加による下水道整備の遅れにより、大阪市内の河川の水質が悪化。いわゆるドブ川状態だった状況の改善を行うべく造られました。この際、建設技術研究所は淀川大堰の本体設計、施工計画などを担当しました。なお、2004年度には耐震および対津波補強に関する設計など、堰の維持管理についても担当しています。
淀川大堰は、国内最大級の径間の長さ(橋構造物の支点と支点の距離。さしわたし)668mを有する潮止・取水堰で、開閉式のゲートによって水位調節が可能な可動堰として、大阪府と兵庫県への上水道と工業用水道供給を目的に国土交通省近畿地方整備局と独立行政法人水資源機構が共同で管理しています。
大阪府と兵庫県への上下水道および工業用水道の供給が現在の目的です。上下水道と工業用水道に関しては20トン/秒もの用水が供給されています。一方、不特定利水には大阪湾の満潮時に100トン/秒、干潮時に40トン/秒を調整しながら放流します。
また、水量調整によって人工的な洪水を起こし、汚水を大阪湾へと流すことで水質汚濁を改善する「フラッシュ放流」も淀川大堰は対応可能です。