研究開発RESEARCH AND DEVELOPMENT

交通・都市分野のAI・ICT研究

道路監視効率化に向けた車両の行動解析AI

道路施設には日常監視や被災時の状況把握などを目的に、多数のカメラが設置されています。一方で、交通事故対策の観点からカメラ映像を人が常時確認し、ヒヤリハット(重大な災害や事故に直結する一歩手前の事象)を把握することは困難です。

その解決策として、カメラ映像から車両や人の正確な位置を推定するAIを開発しています。これにより、走行軌跡、車両・人の距離が把握でき、ヒヤリハット検知が可能となります。今後は、3Dモデルを活用したシミュレーションなどのDX分野に展開する予定です。

橋梁健全度の予測AI

予防保全型の橋梁補修のためには、損傷が進展する部材を事前に把握し、早期の措置が必要です。現状では、損傷が進展してから補修する事後保全型の措置となるケースが多く、補修費用の増大が課題となっています。

本研究では、今回点検の結果である損傷写真(画像)と点検調書(文章)のデータから、次回点検時の橋梁健全度を予測するAIを開発しています。これにより、予防保全型の補修計画が立案できるため、補修費用を抑えることが可能になります。

AIによる高速道路伸縮装置の損傷診断

我が国の道路構造物の多くは高度経済成長期に集中的に整備されており、老朽化が急速に進行しています。一方で、近年の急速な少子高齢化に伴い、道路構造物のメンテナンスを行う技術者や作業者が減少し、大きな社会問題となっています.

本研究では、高速道路のメンテナンス作業効率化を目的に、AIを活用した伸縮装置の損傷診断モデルを開発しています。さらに、モデルの試験運用を実際の高速道路で実施し、目視確認前の一次スクリーニングに有効であることを検証済みです。

オリジナルの3Dオブジェクト作成

BIM・CIMやデジタルツインの分野では、3DCADのような正確な寸法を再現する以外に、写真や地図から気軽に3Dモデルを作成するニーズがあります。Web上には多数の3Dオブジェクトが公開されていますが、建設・土木分野のオブジェクトは少なく、データサイズも大きいため利用しづらい課題を抱えています。

当社では、建設資材などの3Dオブジェクトを独自に作成しています。プライバシーを考慮した上で手軽にバーチャル空間を作り、まちづくり計画や改善のシミュレーションなどに活用することができます。