研究開発RESEARCH AND DEVELOPMENT

環境・社会分野のAI・ICT研究

AIを用いた火山監視技術の開発

火山監視において、休日・夜間等の職員不在時に噴火発生の把握が遅れる可能性があり、噴火に伴う土砂災害等を迅速に把握・共有することが課題となっています。本研究では、カメラ画像とAIを活用し、火山監視の効率化・高度化を支援します。

AIにより噴煙の発生を自動で検知し、画像内における噴煙領域の割合を算出することで、噴煙発生量の定量的な把握を可能とします。また、解析結果が閾値を超えた場合に関係職員へメール通知を行うなど、異常時の迅速な情報共有を行う仕組みの導入も可能です。

■土木学会論文集F3(土木情報学)(2019年75巻2号)
深層学習による活火山監視効率化に関する研究

画像提供:国土交通省北陸地方整備局松本砂防事務所

AIを用いた水質監視

工場や下水処理場等からの有害物質流出による水質事故を未然に防ぐためには、継続的な監視が重要です。水質センサを設置している施設もありますが、センサだけでは把握できない事象があり、目視監視に依存せざるを得ないという課題があります。

本研究では、工場の水質監視(右図)、下水道施設における水位計測・水質異常検知、ポンプ場の越流判定を対象に、AIを用いた監視・判定の自動化に取り組みました。あわせて、AIの判定結果に基づく薬剤添加ポンプの自動制御についても実証実験を実施しました。

■AI・データサイエンス論文集(2022年3巻J2号)
深層学習を用いた水質異常検知に関する研究-排水処理施設でのF/Sの実施-

AIを用いた人流軌跡検知

交差点や公園、工場など多数の人が移動する場面では、人流を把握することが重要です。それにより、最適な施設配置や効率的な誘導などの対策に貢献できます。一方で、人流の目視追跡には多大な労力を要するため、現実的ではありません。

本研究では、広範囲に撮影した複数のカメラ映像を対象に、AIで人を検知し、その移動軌跡を予測しながら、地図上に人流を可視化する技術を開発しています。これにより、効率的な人流把握が可能となります。

■AI・データサイエンス論文集(2023年4巻3号)
複数カメラ画像を用いた広域の歩行者移動軌跡計測システム開発研究

第69回土木計画学研究発表会講演集(2024年)
スクランブル交差点におけるAIを活用した複雑な歩行者流動計測に関する研究

■当社リリース(2025.07.30)
複数カメラとAIによる歩行者の移動軌跡計測技術を開発しました ~スクランブル交差点での検証~

AIを用いた電力需要と太陽光発電量の予測

ビルの省エネ対策として、屋上で太陽光発電を実施し、消費電力量を可視化するエネルギー・マネジメント・システム(EMS)の導入が推進されています。一方で、一般的なEMSは、発電量や消費電力量の計測・可視化にとどまり、将来の発電量や電力需要量を予測するまでには至っていません。

本研究では、気象予報値や滞在人数などを基に、34時間後までの電力需要量と太陽光発電量を予測するAIを開発しています。それにより、余剰電力の効率的な売却、安価な夜間電力による蓄電池充電などの操作が可能となります。また、AI未使用の場合と比較して、年間で約2割の電力量料金の削減が期待できます。

■AI・データサイエンス論文集(2023年4巻3号)
業務用建物を対象とした電力需要・太陽光発電予測と予測制御型 BEMS の有効性検討

■当社リリース(2024.04.26)
AIを用いた予測制御型エネルギーマネジメントシステムを開発しましたAIを用いた予測制御型エネルギーマネジメントシステムを開発しました